古典日本語 「あらがふ」
- (東京式) あらがう [àrágáꜜù] (中高型 – [3])
- IPA(?): [a̠ɾa̠ɡa̠ɯ̟ᵝ]
- (京阪式) あらがう
あらがう【抗う/諍う/争う】
- 従わず、抵抗する。
- 誘惑に抗う。
- こういう勢いになったのは、大夫の詞に人を押しつける強みがあって、母親はそれに抗うことが出来ぬからである。その抗うことの出来ぬのは、どこか恐ろしいところがあるからである。(森鴎外 『山椒大夫』)
- 従わずに、相手を否定する態度で臨む。
- その後ゲーテはベートーヴェンに抗う何事をもしなかったが、しかしまた彼のために何事かをしてやるということもまったく無かった。(ロマン・ロラン、片山敏彦訳『ベートーヴェンの生涯』)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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否定 |
あらがわない |
未然形 + ない
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意志・勧誘 |
あらがおう |
未然形音便 + う
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丁寧 |
あらがいます |
連用形 + ます
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過去・完了・状態 |
あらがった |
連用形音便 + た
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言い切り |
あらがう |
終止形のみ
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名詞化 |
あらがうこと |
連体形 + こと
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仮定条件 |
あらがえば |
仮定形 + ば
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命令 |
あらがえ |
命令形のみ
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