えんこ
- 足を前にのばしてすわること。
- そこらの柿の樹の枝なんか、ほら、ざわざわと烏めい、えんこをして待ってやがる。(泉鏡花 『海異記』)
- が、連絡だけでは精密な対策が立たないので、一週に一度の予定で三人一緒に「エンコ」(坐ること)することになっていた、その家の世話は伊藤がやった。(小林多喜二 『党生活者』)
- (俗語)乗り物が故障して動かなくなること。
- それは目下故障のまま白骨島の砂上に「えんこ」をしている怪塔ロケット第一号の無電装置をつかうことでありました。(海野十三 『怪塔王』)
- 途中で自動車がエンコしてまごまごしていると、必ずのようにカーを止めて「故障ですか。手伝いましょうか」と、全く見も知らぬ人が聞いてくれる。(中谷宇吉郎 『孔子とアメリカ』)
- (俗語)公園。
- 「共産党がそんなことを云うと、品なしだぜ。」とエンコ(公園)に出ている不良がひやかした。(小林多喜二 『独房』)
- その日、俺は丸万から、「牛鍋でもつつこうや」と誘われてエンコ(浅草公園)へ行った。(高見順『いやな感じ』)
- (隠語、やくざ・暴力団)指。
同音異義語編集
えんこ
- 【縁故】:血縁などによる繋がり。
- 【遠古】:遠い昔。
- 【塩湖】:塩分が多い湖水の湖。
- 【円弧】:円周を切り取った一部分。