日本語 編集

名詞 編集

 
 
図A:「太郎のまえにいる人」はA・B・C・Dの誰でもありうる。

まえ

  1. 空間的意義
    1. 人が首を曲げていない状態のときに、顔の向いている方向
    2. 人体の、まえ(1-1)を向いている側面
      1. 特に、陰部など性的であるとされる部分。
        • を隠す」は、陰部や女性の胸部を隠すことを意味する。
    3. 人が顔を向けて知覚することのできる範囲の空間
      • 例文: 子供のでやめてください。
    4. ある空間の中で人が顔を向けることが一般的な方向。
      • の席」は、劇場では舞台近くの席、教室では教壇近くの席のように、その空間内の人間が注目すると考えられているものの方向の席を指す。
    5. ものの側面のうち人が顔を向けることが一般的な面。
      • 「建物の」ならば出入り口のある面であり、「テレビの」ならば画面のある方を指す。
    6. ものの側面のうち顔を向けている面。
      • 「ちゃぶ台の」といった場合、人が顔を向けることが一般的であるといえる面が想定できないため、その時に顔を向けている面を指す。
    7. 動物が顔を向けて進む方向、また一般に移動する物体が進む方向。
    8. 移動する物体の、進む方向にある部分。
  2. 時間的意義
    1. 時間的に先立っていること。よりはや時刻
      • すこし前に聞いた。
    2. 過去現在より前の時。
      • 前に来たことがある。
  3. 順序
    1. 順序先立っていること。順序先頭に近いこと。
      • 前のページに戻る。
  4. 状況
    1. 状況に直面していること。近い将来できごとに対応していること。
      • 五輪を前に浮き足立っている。

副詞 編集

まえ【前】

  1. 過去に。以前

接尾辞 編集

まえ【前】

  1. 動作や行為に先立っていること。
    • 就学前。嫁入り前。使用前。おやすみ前。
    • 日本の鉄道では、駅に到着前に必ずアナウンスがある。

発音(?) 編集

東京式アクセント 編集

ま↘え

IPA: /??/
X-SAMPA/??/
京阪式アクセント 編集
  • 空間的意義・順序: ま↗え↘
  • 時間的意義: ま↘え

語源 編集

古典日本語まへ」 < 日本祖語 *mapya。「(目)」+「(の方)」の意。

関連語 編集

翻訳 編集

動詞 編集

まえ

  1. まう」の仮定形。
  2. 「まう」の命令形。