修飾(しゅうしょく)
- 外見が良く見えるように飾ること。
- 主観は単純であるが、こまかに様々の様子をかいていて、文章は独特に新鮮で、誇張、修飾を知らない味にあふれて居ます。(宮本百合子「獄中への手紙」)〔1939年〕[1]
- 私はこれから何の修飾も加えずに、不思議の事件をただありのままに申し上げましょう。(モーパッサン「幽霊」)〔岡本綺堂訳1929年〕[2]
- (言語学) ある語句に別の語句を付け加えることで、意味する範囲を狭くしたり、意味をより詳しく明確にしたりすること。
- 例えば「走る」という語は〔その速度を問わずに走ること〕を意味するが、「速く走る」という句は〔速いと呼ぶにふさわしい速度以上で走ること〕といったような意味になり、元の「走る」よりも意味の範囲が狭まっている。
- 一方で「両足が同時に地面につかないように走る」という句は、元の「走る」という語により詳しい説明を加えたものであり、「走る」の意味の範囲は狭まっていない。「長男の太郎」「千葉県にある成田空港」「賢明なる有権者諸氏」なども同様である。
(見えるように飾ること)
(意味する範囲を狭くすること)
修飾-する(しゅうしょく-する)
- (他動詞) 外見が良く見えるように飾る。
- お互にどうしてもその裸体を修飾して文明人の間に交際の出来るだけの用意が必要です。(与謝野晶子「女子の独立自営」)〔1911年〕[3]
- 自分で自分を知らな過ぎる奴は、また途方もなく自分を買いかぶるか、そうでなければ鼻持ちもならないほど、自分を修飾したがる。(中里介山「大菩薩峠」)〔1913年-1941年〕[4]
- (他動詞, 言語学) ある語句に別の語句を付け加えることで、意味する範囲を狭くしたり、意味を明確にしたりする。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | 修飾しない | 未然形 + ない |
否定(古風) | 修飾せず | 未然形 + ず |
自発・受身 可能・尊敬 | 修飾される | 未然形 + れる |
丁寧 | 修飾します | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | 修飾した | 連用形 + た |
言い切り | 修飾する | 終止形のみ |
名詞化 | 修飾すること | 連体形 + こと |
仮定条件 | 修飾すれば | 仮定形 + ば |
命令 | 修飾しろ 修飾せよ | 命令形のみ |