同音の漢字については、 ヨク を参照。

日本語

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形容詞

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よくく、く、く、く】

  1. 形容詞「よい」の連用形。
    • よく思われようとする。
    • 先生にはよくしていただいた。
「元気よく」「機嫌よく」「調子よく」のように、名詞に対し接尾辞のように直接接続することがある。

副詞

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よく【良く、好く、善く、佳く、く、く】

  1. 程度が強いことを表す
    1. 行動動作十分に、しっかりと、じっくりと、ぐっすりと;(否定文は部分否定となる)あまり、たいして、それほど
      • よく調べる。体をよく拭く。体をよく動かすとよい。よく眠っている様子だ。よく言って聞かせます。
      • よく休めなかった。よく勉強してこなかった。
    2. 注意考慮意識集中
      • よく気をつけてほしい。人の話はよく聞いておけ。よく考えるとな話だというがしてきた。目を凝らしてよく見る。
      • よく考えずに返事をしてしまった。問題文をよく読んでいなかった。
    3. 理解認識知覚
      • よく分かる。その人のことはよく知っています。
      • 意味がよく分からない。よく知らない話で答えようがない。あまりよく覚えていない。前がよく見えなかった。
    4. 様態とても非常に、大変
      • よく晴れた朝だ。一卵性だから顔がよく似ている。
    5. (能力、性能、資質、できばえ)
      • とてもよく勉強ができる。よくできた嫁。よくしゃべる男。よく走る車。よく効く薬。よく当たる占い師。この小説人間がよく描けている。よく磨かれた鏡。
      • 「へえ、天道様はよくしたものでがっせ。去年は不作で米が安かっただが、今年はそのうめ合せだちゅうんで……。」(豊島与志雄『秋の幻』)
  2. しばしば頻回
    • よく忘れる。よく話題に上る。よくある話。よく来てくれるお客さん。「酒は百薬の長」とよく言われる。
  3. (陳述副詞)(感情を込めた表現
    1. 賞賛歓迎安堵詠嘆
      • よくやった。よく頑張った。よく言ってくれた。よくわかったね。よくお越し下さいました。よくゴールまでたどり着けたものだと思う。そんな状況でよく助かったものだ。
    2. 嘆息皮肉非難
      • まったくよく言うよ。こんな暴風雨の日によく外に出る気になったね。よくそんな残酷なことができるもんだ。
  4. (古典日本語より。古風格調高い表現)(すぐれた能力達成)巧みに、上手

語源

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形容詞「よい」の連用形より。

派生語

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古典日本語

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副詞

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よくく】

(漢文で「」の訓読から)

  1. ~できる。
    • をとゝしの頃は三十八度以上の体熱ありて、しかも能く客と語り能く字を書くを自ら驚き思へり。今年五月よりこのかた三十九度以上の熱度を以て、能く飯し能く詠じ能く書き能く語ることあり。(正岡子規 『病牀瑣事』)
    • 能く剛を制す

動詞

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よくく】

  1. ける。ける。
よ-く 動詞活用表日本語の活用
カ行上二段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
くる くれ きよ
よ-く 動詞活用表日本語の活用
カ行四段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
よ-く 動詞活用表日本語の活用
カ行下二段活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
くる くれ けよ

用法

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上代では上二段活用のみが用いられ中古では四段活用も用いられるようになり、中世以降は下二段活用が用いられた。

諸言語への影響

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