日本語

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この単語の漢字
かん
第三学年

第三学年
音読み

名詞

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(かんみ)

  1. (文章語) 現象体験などを感じ取っ味わうこと。現象や体験などから感じ取る味わい
    • 1918年、水野仙子「嘘をつく日」[1]
      長い間には病院の内も外も私の散歩になれて、新しい感味が單純な頭を喜ばす事は少くなつた。
    • 1925年、徳田秋声「日本文章史」[2]
      すくなくとも後になつて長谷川二葉亭や山田美妙齋が主張したものは、藝術品としての文章であつて、福翁の樣に達意が目的でない、刻々の感味を正直に濃かく表現するのである。
    • 1938年、斎藤茂吉「万葉秀歌」[3]
      作者はほんのりと恋愛情調を以て詠んだのだろうが、情味が秋沙鴨に対する情味にまでなっている。これならば近代人にも直ぐ受納れられる感味で、万葉にはこういう歌もあるのである。

動詞

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する (かんみする)

  1. (他動詞, 文章語) 現象体験などを〕感じ取っ味わう
    • 1920年、伊藤左千夫「想像と装飾の美」[4]
      そして、洋画法を執るならば少くも今日よりはよりよき芸術的経験を君たち自身が感味するだろう。
    • 1936年、倉田百三「学生と教養」[5]
      教養としての倫理学研究は必ずしも一つの立場からの解決を必要としない。人間の倫理観のさまざまなる考え方、感じ方、解決のつけ方等をそれぞれの立場に身をおいて、感味して見るのもいい。
    • 1939年、吉川英治「随筆宮本武蔵」[6]
      またそこには、彼の天質に美を感味する素質と、それを表現する才能が、必然にあったことは勿論としてである。

活用

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  1. 青空文庫、1998年7月9日公開、2006年4月17日修正(底本:「現代日本文學全集 85 大正小説集」筑摩書房 、1957(昭和32)年12月20日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000112/files/603_22627.html
  2. 徳田秋声 講述 ほか『日本文章史』,松陽堂,大正14. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1017205 (参照 2024-12-08)
  3. 青空文庫、2008年7月23日作成、2020年9月12日修正(底本:「万葉秀歌 上巻」岩波新書、岩波書店、2002(平成14)年8月26日第92刷発行。「万葉秀歌 下巻」岩波新書、岩波書店、2002(平成14)年9月5日第87刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001059/files/5082_32224.html
  4. 青空文庫、2007年1月6日作成(底本:「岸田劉生随筆集」岩波文庫、岩波書店、1996(平成8)年8月20日第1刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000251/files/46522_25729.html
  5. 青空文庫、2005年9月9日作成(底本:「青春をいかに生きるか」角川文庫、角川書店、1981(昭和56)年7月30日改版25版発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000256/files/43129_19338.html
  6. 青空文庫、2012年12月18日作成(底本:「随筆 宮本武蔵/随筆 私本太平記」吉川英治歴史時代文庫、講談社、2003(平成15)年3月5日第9刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001562/files/52434_49777.html