歔欷 (きょき)
- 声を押し殺しすすり泣くこと。むせび泣き。
- その日も、私は、市川の駅へふらと下車して、兄いもうと、という活動写真を見もてゆくにしたがい、そろそろ自身狼狽、歯くいしばっても歔欷の声、そのうちに大声出そうで、出そうで、小屋からまろび出て、思いのたけ泣いて泣いて泣いてから考えた。(太宰治『二十世紀旗手 ――(生れて、すみません。)』)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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否定 |
歔欷しない |
未然形 + ない
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否定(古風) |
歔欷せず |
未然形 + ず
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自発・受身 可能・尊敬 |
歔欷される |
未然形 + れる
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丁寧 |
歔欷します |
連用形 + ます
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過去・完了・状態 |
歔欷した |
連用形 + た
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言い切り |
歔欷する |
終止形のみ
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名詞化 |
歔欷すること |
連体形 + こと
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仮定条件 |
歔欷すれば |
仮定形 + ば
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命令 |
歔欷しろ 歔欷せよ |
命令形のみ
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歔 欷(ピンイン:xū xī 注音符号:ㄒㄩ ㄒㄧ)
- 声を押し殺しすすり泣く。