毒する

日本語

動詞

毒する (どくする)

1. (他動詞, 文章語) （「～を毒する」の形で）～に有害な影響を与える。
   • 1919年、豊島与志雄「微笑」

     皆が欠伸と倦怠とのうちに死滅するようになったら、どうだろう。考えてもたまらないことだ。凡そ憂欝な退屈くらい人間を毒するものはない。

   • 1943年、三好十郎「俳優への手紙」

     三百円も千円もの収入を得て贅沢に馴れスタア意識に毒されてしまった阿呆共が、自分で自分の「伝説」に縛られてしまい、「良い仕事のためにならば千円の月収が百円になってもよい」とは思わないで口先きだけは「良い仕事」をやると称しながら、千円の月収にかじり附いている――これを、これこそ怯懦と言う。

   • 1947年、宮本百合子「明日の知性」

     「野蛮人の学校」では、ナチス治下の教育が、どんなにドイツの少年たちを毒しているかをあからさまにしたもので、映画化され、世界に深甚な影響をあたえた。

活用

毒-する 動詞活用表（日本語の活用）

サ行変格活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
毒	し せ さ	し	する	する	すれ	せよ しろ

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	毒しない	未然形 + ない
否定	毒せず	未然形 + ず
自発・受身 可能・尊敬	毒される	未然形 + れる
丁寧	毒します	連用形 + ます
過去・完了・状態	毒した	連用形 + た
言い切り	毒する	終止形のみ
名詞化	毒すること	連体形 + こと
仮定条件	毒すれば	仮定形 + ば
命令	毒せよ 毒しろ	命令形のみ