日本語

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動詞

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する (めっする)

  1. (自動詞, 文章語) 死ぬ
    • 1913年、森鴎外「阿部一族」[1]
      生あるものは必ず滅する。老木の朽ち枯れるそばで、若木は茂り栄えて行く。
  2. (自動詞, 文章語) 消える
    • 1913年、幸徳秋水「死刑の前」[2]
      されど、天命の寿命をまっとうして、疾病もなく、負傷もせず、老衰の極、油つきて火の滅するごとく、自然に死に帰すということは、その実はなはだ困難のことである。
  3. (他動詞, 文章語) 滅ぼす
    • 1928年、喜田貞吉「本州における蝦夷の末路」[3]
      見方によっては蝦夷が日本民族と形をかえて、多年腐敗の極みに達していた貴族政治を滅して、我が国の政権を掌握することになったのだと申しても、甚だしい過言で無いかもしれません。
  4. (他動詞, 文章語) 消す
    • 1947年、高神覚昇「般若心経講義」[4]
      すなわち一切の苦というものを滅して、この世に理想の平和な浄土を建設されたというのです。

活用

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  1. 青空文庫(2000年2月14日公開、2006年5月16日修正。底本:「日本の文学 3 森鴎外(二)」中央公論社、1972(昭和47)年10月20日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000129/files/673_23255.html
  2. 青空文庫(2003年12月14日作成。底本:「日本の名著 44 幸徳秋水」中公バックス、中央公論社、1984(昭和59)年10月20日初版)https://www.aozora.gr.jp/cards/000261/files/4324_14048.html
  3. 青空文庫(2010年10月4日作成。底本:「先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選」河出書房新社、2008(平成20)年1月30日初版)https://www.aozora.gr.jp/cards/001344/files/49820_40772.html
  4. 青空文庫(2006年9月15日作成、2016年5月10日修正。底本:「般若心経講義」角川文庫、角川書店、1973(昭和48)年3月30日改版12版)https://www.aozora.gr.jp/cards/000269/files/1543_24303.html