日本語 編集

名詞 編集

(ちょくやく)

  1. 原文一語一語を個別に置き換えたり、の順序を原文とできるだけ合わせたりして翻訳すること。
    • 1934年、寺田寅彦「ジャーナリズム雑感」[1]
      ジャーナリズムの直訳は日々主義であり、その日その日主義である。
    • 1940年、吉川英治「三国志 序」[2]
      原本には「通俗三国志」「三国志演義」その他数種あるが、私はそのいずれの直訳にもよらないで、随時、長所を択って、わたくし流に書いた。
  2. 原語の文を、他の言語に訳したものをすることなく直接翻訳すること。
  3. (古)外国語を、その音に合わせて漢字カナ表記すること。音訳

類義語 編集

対義語 編集

動詞 編集

-する(ちょくやく-する)

  1. (他動詞) (ある表現に対して)直訳を行う。
    • 1929年、岸田國士「ジュウル・ルナアル」[3]
      「赭毛」といふ訳語は山田珠樹君流で、名訳に違ひないが、原名を直訳すると「人参色の毛」で、此の髪の毛をもつて生れた人間は、ただ髪の毛が妙に赤いといふだけでなく、(...)
    • 1934年、岡本かの子「仏教人生読本」[4]
      しかるに、当の禅師にありましては却って淡々として答えられました。曰く「眼横鼻直」。これを直訳しますと、「人間の顔の眼は横につき鼻は竪についている」というのです。

活用 編集


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  1. 青空文庫(2003年5月18日作成)(底本:「寺田寅彦随筆集 第四巻」小宮豊隆編、岩波文庫、岩波書店、1997年6月13日第65刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/2492_10275.html 2020年8月22日参照。
  2. 青空文庫(2013年7月11日作成)(底本:「三国志(一)」吉川英治歴史時代文庫、講談社、2009年2月2日第62刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001562/files/52409_51059.html 2020年8月22日参照。
  3. 青空文庫(2007年11月14日作成、2016年5月12日修正)(底本:「岸田國士全集21」岩波書店、1990年7月9日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001154/files/44570_28574.html 2020年8月22日参照。
  4. 青空文庫(2013年11月5日作成)(底本:「岸田國士全集21」岩波書店、1990年7月9日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000076/files/52342_51795.html 2020年8月22日参照。