音韻転倒

日本語

発音

• (東京式) おんいんて​んとー [òń'íńtéꜜǹtòò] (中高型 – [5])
• IPA^(?): [õ̞ɰ̃ĩntẽ̞nto̞ː]

X-SAMPA: /(?)oN\_Hi_Hn.te_Hnto:/

名詞

音韻転倒 (おんいんてんとう)

1. (文法) 前の子音と、次の子音が入れ替わること。間と後ろの母音は変わらない。
2. (文法) 前の母音と、次の母音が入れ替わること。間と後ろの子音は（あっても）変わらない。

実例

• 日本語:
  1. あらた しい → あたら しい　新しい　/r/ ⇔ /t/
  2. つぶれ  → つるべ 　釣瓶　/b/ ⇔ /r/
  3. ^○シミュ レーション → ^×シュミ レーション　模擬実験　/u/ ⇔ /i/
     • 幼児語では殊に頻繁に起きる。
  4. おてか゚み  → おてまき゚ 　お手紙　/g/([ŋ]) ⇔ /m/
  5. ちゅく え → くちゅ え　机　/c/ ⇔ /k/
• アイヌ語:
  1. askepet → aspeket　指
  2. cupkes → cukpes　下腹
  3. puyar → puray　窓
  4. yorpuy → roypuy　肛門
  5. icaniu → icanui　鱒
  6. ruika → riuka　橋

類義語

• 音位転換、音位転倒　（より広い概念。母音 ⇔ 子音も含む。）
• 前進的母音同化、後進的母音同化、母音融合

対義語

• 子音消失、母音消失、子音変化、母音調和

翻訳

• イタリア語: metatesi
• 英語: metathesis (between two consonants, or two vowels)
• スペイン語: metátesis
• ドイツ語: Metathese
• フランス語: métathèse

動詞

活用と結合例

音韻転倒-する 動詞活用表（日本語の活用）

サ行変格活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
音韻転倒	し せ さ	し	する	する	すれ	しろ せよ

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	音韻転倒しない	未然形 + ない
否定(古風)	音韻転倒せず	未然形 + ず
自発・受身 可能・尊敬	音韻転倒される	未然形 + れる
丁寧	音韻転倒します	連用形 + ます
過去・完了・状態	音韻転倒した	連用形 + た
言い切り	音韻転倒する	終止形のみ
名詞化	音韻転倒すること	連体形 + こと
仮定条件	音韻転倒すれば	仮定形 + ば
命令	音韻転倒しろ 音韻転倒せよ	命令形のみ