kĩĩgamba
キクユ語
編集異表記・別形
編集語源
編集Hinde (1904) は英語 bell にあたるキクユ語「ジョゴウィニ方言」(Jogowini dialect)の訳語として kigaamba を記録している[2]。なお、これに対応するカンバ語は kiamba とされている[2]。
- IPA: /keèɣámbǎꜜ/
- Armstrong (1940:262) によると、前に nĩ を置いて Nĩ kĩĩgamba.「kĩĩgamba である。」と言い切る場合は最も低い音節を1とすると nĩ を含めて「2、1、2、1かつ昇」、前に ti を置いて Ti kĩĩgamba.「kĩĩgamba ではない。」と言い切る場合は ti を含めて「2、2、1、1かつ昇」となるなど、前後に他の語が存在するか、存在する場合はどのような種類の語であるかによって声調の変動が見られる。Benson (1964) では声調クラスの分類は「クラス10」で、他に同クラスの3音節語幹語には gĩting'ũri、ndigithũ、kĩĩgunyĩ などがある。
- 〔キアンブ方言〕湯川 (1981, 1985) では mũcura、mwera、thani、kagogo、kĩĩhindiĩ と同じアクセントの型に分類されており、「高低II型」という呼称が与えられている[3][4]。
- 〔リムル方言〕湯川 (1981:100) によると孤立形は [kèèɣáḿbà] で、後ろに gĩĩkĩ〈この〉が続く場合も [kèèɣáḿbà ɣééké]、後ろに gĩakwa〈私の〉が続く場合も [kèèɣáḿbà ɣéákóá]、後ろに nĩ がある場合も [kèèɣáḿbà né]、前に nĩ がある場合も [né kèèɣáḿbà] であるが、前に ti がある場合は [tì kééɣáḿbà] となるなど、前後に他の語が存在するか、存在する場合はどのような種類の語であるかによってアクセントの変動が見られる[3]。なお、ti の高さについてはリムル方言と同じくキアンブ方言に属するナイロビ方言を調査した湯川 (1985:199) で高いと訂正されている[4]。
- 〔ナイロビ方言〕湯川 (1985:194,199,201) で孤立形、後ろに gĩakwa、前に nĩ や ti がある場合について分析が行われているが、このうち前に nĩ がある場合に [né kééɣàḿbà] となる点と ti が明確に高声調とされている点以外はリムル方言と同じである[4]。
名詞
編集- 踊りの際にリズムをとるために用いられる[5]楽器の一種で、巨大なエンドウマメ (wp)の莢状の鋳鉄 (wp)に複数の鉄球を入れたり[6]、あるいは空の容器にびんの破片を詰めたり[7]して作られ、脚にくくりつけられるもの[8]。脚を動かすと共に「バシャ、バシャ、バシャ、バシャ」という音が鳴る[9]。
類義語
編集ことわざ
編集参照
編集脚注
編集- ↑ "kĩĩgamba" in Benson, T.G. (1964). Kikuyu-English dictionary, p. 195. Oxford: Clarendon Press.
- ↑ 2.0 2.1 Hinde, Hildegarde (1904). Vocabularies of the Kamba and Kikuyu languages of East Africa, pp. 6–7. Cambridge: Cambridge University Press.
- ↑ 3.0 3.1 湯川恭敏 (1981).「キクユ語名詞アクセント試論――リムル方言について――」 『アジア・アフリカ言語文化研究』22, 75-123.
- ↑ 4.0 4.1 4.2 湯川恭敏 (1985).「キクユ語名詞アクセント再論」 『アジア・アフリカ言語文化研究』29, 190-231.
- ↑ 杜, 由木『夜には、夜のけものがあるき 昼には、昼のできごとがゆく』東京図書出版、2015年。 ISBN 978-4-86223-828-3
- ↑ Wambugu, Duncan Miano (2012). "Kenyan Art Music in Kenya's High School General Music Curriculum: A Rationale for Folk-Song Based Choral Music ", pp. 122–123. Thesis (Ph.D.), University of Florida.
- ↑ Bailey, Jim (1993). Kenya: The National Epic, p. 323. Nairobi: Kenway Publications.
- ↑ Senoga-Zake, George W. (2000). Folk Music of Kenya, pp. 17, 19, 21. Nairobi: Uzima Press. ISBN 9966-855-56-4
- ↑ Kabira, Wanjiku Mukabi and Njogu Waita (2010). Reclaiming My Dreams: Oral Narratives by Wanjĩra Wa Rũkenya, p. 4. Nairobi: University of Nairobi Press. ISBN 9966-846-87-5