古典日本語「かぬ」(ナ行下二段活用)から。
かねる【兼ねる】
- (他動詞) 一つの物事のみでなく他の物事も含める。
- 一つの事物が二つ以上の用をなす。
- 一人が二つ以上の職務を持つ。兼任する。
- (かねての形で用いる)以前から。
- (古風)一方のみでなく他方のことも考える。気兼ねする。遠慮する。
- (他の動詞の連用形に接続し複合動詞として用いる造語成分。助動詞とも見られる。)
- ・・・たくない。動作をすることを躊躇する気持を表現する。
- その時、あの母さんが私の心配しているのを見るに見かねて、日ごろだいじにしていた金をそこへ取り出した。(島崎藤村「分配」)
- できない。動作が不可能なことを表現する。
- 否定形「かねない」の形で、(非意志的な)作用が起こり得ることを表現し、特にそれを恐れる気持を表現する。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
|
否定 |
かねない |
未然形 + ない
|
意志・勧誘 |
かねよう |
未然形 + よう
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丁寧 |
かねます |
連用形 + ます
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過去・完了・状態 |
かねた |
連用形 + た
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言い切り |
かねる |
終止形のみ
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名詞化 |
かねること |
連体形 + こと
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仮定条件 |
かねれば |
仮定形 + ば
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命令 |
かねろ かねよ |
命令形のみ
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