かまける【感ける】
- 関わり合う、かまう。特に、小事に関わり合って、大事なことを等閑にする。
- 米をきまつて運んで行く一人は、「此間なんか、つい自分の忙しいのにかまけて、二三日米を持つて行くのを忘れてゐて、あわてて持つて行くと、もう櫃には米は一粒も残つてゐない。あの和尚め、一日二日米を食はずにゐたと見える。」(田山花袋『ある僧の奇蹟』)
- 身狭刀自(むさのとじ)自身のうちにも、もだもだと咽喉につまった物のある感じが、残らずには居なかった。そうして、そんなことにかまけることなく、何の訣(わけ)やら知れぬが、一心に糸を績み、機を織って居る育ての姫が、いとおしくてたまらぬのであった。(折口信夫『死者の書』)
- (古用法) 心を動かす。感心する。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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否定 |
かまけない |
未然形 + ない
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意志・勧誘 |
かまけよう |
未然形 + よう
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丁寧 |
かまけます |
連用形 + ます
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過去・完了・状態 |
かまけた |
連用形 + た
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言い切り |
かまける |
終止形のみ
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名詞化 |
かまけること |
連体形 + こと
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仮定条件 |
かまければ |
仮定形 + ば
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命令 |
かまけろ かまけよ |
命令形のみ
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