- 「語源未詳」(三省堂:金田一「新明解国語辞典」(1979))
- (東京式) たくさん [tàkúsáń] (平板型 – [0])
- IPA(?): [ta̠kɯ̟ᵝsã̠ɴ]
- (京阪式) たくさん
たくさん【沢山、卓散 いずれも当て字】
- 数が多い様。
- ある日のこと、汽車が重い荷物や、たくさんな人間を乗せて過ぎていきましたときに、レールのある部分に傷がついたのであります。(小川未明「負傷した線路と月」)〔1925年〕[1]
- 伝兵衛はその岩の上へあがって往って網を投げたが、その網にはたくさんな魚が入っていた。(田中貢太郎「亀の子を握ったまま」)〔1938年〕[2]
- 十分である様子。十分すぎる様子。それ以上は要らない様。うんざりなさま。
- 「先生もうたくさんです。たくさんですよ。ご生ですからやめてください。これからもう先生のタクトなんかとりませんから。」(宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」)〔1934年〕[3]
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
推量・意志 | たくさんだろう | 未然形 + う |
過去・完了 | たくさんだった | 連用形 + た |
否定形 | たくさんでない | 連用形 + ない |
自動詞化 | たくさんになる | 連用形 + なる |
言い切り | たくさんだ | 終止形のみ |
名詞化 | たくさんなこと | 連体形 + こと |
仮定条件 | たくさんならば | 仮定形 + ば |
様態 | たくさんそうだ | 語幹 + そうだ |