どく【退く】
- (自動詞) 場所をあける。
- そこは徑が大へん狹かつたので私たちは傍にどいてそのお孃さん達を先きに通らせた。 (堀辰雄『エトランジェ』)〔1932年〕
- 基地は大都市からどくというのが基本原則であるけれども、まあ、おる間は、とにかくそういう措置をとってやれと (...) (相澤重明、参議院会議録情報 第048回国会 運輸委員会 第7号)〔1965年〕
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | どかない | 未然形 + ない |
意志・勧誘 | どこう | 未然形音便 + う |
丁寧 | どきます | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | どいた | 連用形音便 + た |
言い切り | どく | 終止形のみ |
名詞化 | どくこと | 連体形 + こと |
仮定条件 | どけば | 仮定形 + ば |
命令 | どけ | 命令形のみ |
どく
- (口語)「でおく」の音便。前もって何々する、予備的にその動作をすませる。
- 「(...) アンタに見せようと思って繋いどいたのに…… (...)」 (夢野久作『冗談に殺す』)〔1933年〕
- 漁師に頼んどくと幾何(いくら)でも拵えて来て呉れますよ。(夏目漱石、『彼岸過迄』、1912年)
- (口語)そのままを維持する。放置したままにする。行為やその結果を持続する。
- 自分の代わりにしばらくこの部屋に住んどいてほしい。