はじめ【始め・初め】
- 【始め】 はじめること。
- 心々に争ふ口つきどもを、をかしと聞こし召して、まづ、物語の出で来はじめの祖なる『竹取の翁』に『宇津保の俊蔭』を合はせて争ふ。(c. 1000 紫式部『源氏物語』巻17・絵合 渋谷栄一校注 源氏物語の世界)
- 江東一帯の工場地から聞える仕事始めのサイレンの音響と人物の交錯のなかを、(1930 吉行エイスケ『女百貨店』新興芸術派叢書)
- 【初め・始め】 ものごとの最初の部分。ものごとの、時間が前の部分。【始め】ものごとの、取りかかる時に行う部分。(漢字の使い分けは厳密ではない)
- ものごとははじめが肝心だ。
- 年の初めに挨拶をする。
- (書籍の序章の章題)はじめに
- 元来。もともと。
- 従元 長謂管 不令恃者 如是念二 相益物歟(初めより長く言ひつつ頼めずはかかる思ひに逢はましものか)(8世紀前半 大伴坂上郎女 『万葉集』4/620)
- 二人は死骸の中で、しばらく、無言のまま、つかみ合った。しかし勝敗は、はじめからわかっている。(1915 芥川龍之介『羅生門』)
はじめ【始め・初め】
- はじめるの未然形・連用形。
- (「をはじめ」「をはじめとして」の形で)列挙されるもののうち筆頭を表す。
はじめ【一・元・大】など
- 日本人の一般的な人名。男子、とくに長男につけられることが多い。