めちゃくちゃ【滅茶苦茶、目茶苦茶】
- まったく理屈にかなっていないさま。非論理的なさま。
- そしてそれも余程慎重に突かぬと、相手に手抜きをされる惧れがある。だから、第一手に端の歩を突くのは、まるで滅茶苦茶で、乱暴といおうか、気が狂ったといおうか、果して相手の木村八段(現在の名人)は手抜きをした。(織田作之助 『可能性の文学』1946年)
- 程度が通常を大きく上回るさま
- そのきんとんには、サッカリンが多分に入っていることを、私は知っていた。その上、猫入らずまで混ぜてあったのだが、兎に角私は、滅茶苦茶に甘いものに飢えていた。(葉山嘉樹 『浚渫船』1926年)
- ひどく壊れたさま。ひどく混乱したさま。
- たとい半狂乱の譫言にもせよ、悪魔だの色魔だの貞操蹂躙だのという不名誉きわまる事を言われ、それが世間の評判になったら、もうそれだけで自分の将来は滅茶苦茶になるのではあるまいかと思えば、じっさい笑い事ではなく、まだ私も若かっただけに、あまりに憂鬱で、この女を殺して自分も死のうかと、何度考えたかわかりません。(太宰治 『男女同権』1946年)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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推量・意志 |
めちゃくちゃだろう |
未然形 + う
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過去・完了 |
めちゃくちゃだった |
連用形 + た
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否定形 |
めちゃくちゃでない |
連用形 + ない
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自動詞化 |
めちゃくちゃになる |
連用形 + なる
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言い切り |
めちゃくちゃだ |
終止形のみ
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名詞化 |
めちゃくちゃなこと |
連体形 + こと
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仮定条件 |
めちゃくちゃならば |
仮定形 + ば
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様態 |
めちゃくちゃそうだ |
語幹 + そうだ
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「めちゃ」に「くちゃ」という語を付けることで語調を整え、「めちゃ」の意味を強めた語。「めちゃ」は「むちゃ(無茶)」と同源の語。「滅茶・目茶」も「苦茶」も当て字。