日本語

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動詞

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する (かんする)

  1. (他動詞) 〔ある言葉文字を〕呼び名の構成要素として(普通は側に)付ける
    • 1927年、菊池寛「小学生全集に就て(再び)」[1]
      「子供天文学」「子供鉱物学」その他子供を冠してゐる意味は、子供にも分りやすくかいたと云ふ意味だから、大人の方でも、常識として一度はかうしたものを読んで置くのもよいことだと思ふ。
    • 1939年、豊島与志雄「新時代の「童話」」[2]
      かかる境地に、近代のハムレットを置いてみるがいい。――「近代の」という形容を冠した所以は、それがもう過去のものとなりつつあるからである。たしかに、一時、ハムレット的なものが存在した。
    • 1948年、笠信太郎「デモクラシーのいろいろ」[3]
      大革命の後、一世紀半を越えて、世は第四共和國の時代となり、そこにはもうフランス革命が主張しそして確立した共和制に反抗する何人もゐないのに、フランスの政黨には依然としてその名に「共和主義」を冠するものが多く、共和主義の敵がまだどこかフランスの隅に殘つてでもゐるかのやうに、敵を追ひまはしてゐるやうな趣きがある。
  2. (他動詞, 文章語) 被る覆う
    • 1904年、井上円了「西航日録」[4]
      十九日、夜来急雨あり。気候にわかに暖を加う。二十日早天、スペインの連山を見る。その高きものは、みな冠するに白雪をもってす。
    • 1910年、小島烏水「白峰山脈縦断記」[5]
      今通過した大籠山は、駱駝形をして、三角測量標が、霧の波に冠されながらも、その底から頂へと突き抜いて、難破船の檣のように出ている
    • 1927年、菊池寛「小学生全集に就て(再び)」[6]
      活力のない紅葉なればこそ、秋にふさわしいものとなる。秋の山野を冠する赤や黄の色彩は、房々とした少年の金髪ではなくて、生活をしつくした初老の人の赤毛である。
  3. (他動詞) 冠をかぶせる。冠をかぶる。
  4. (自動詞) 元服する。

活用

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冠-する 動詞活用表日本語の活用
サ行変格活用
語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形


する する すれ せよ
しろ
各活用形の基礎的な結合例
意味 語形 結合
否定 冠しない 未然形 + ない
否定 冠せず 未然形 +
自発・受身
可能・尊敬
冠される 未然形 + れる
丁寧 冠します 連用形 + ます
過去・完了・状態 冠した 連用形 +
言い切り 冠する 終止形のみ
名詞化 冠すること 連体形 + こと
仮定条件 冠すれば 仮定形 +
命令 冠せよ
冠しろ
命令形のみ

成句

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  1. 青空文庫、2004年5月18日作成(底本:「菊池寛全集 第二十四巻」高松市菊池寛記念館、文藝春秋、1995(平成7)年8月30日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000083/files/43058_15655.html
  2. 青空文庫、2006年4月26日作成(底本:「豊島与志雄著作集 第六巻(随筆・評論・他)」未来社、1967(昭和42)年11月10日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000906/files/42557_22850.html
  3. 青空文庫、2018年1月1日作成(底本:「文藝春秋 昭和二十三年十月號」文藝春秋新社、1948(昭和23)年10月1日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001937/files/58490_63620.html
  4. 青空文庫、2010年11月18日作成、2011年9月1日修正(底本:「井上円了・世界旅行記」柏書房、2003(平成15)年11月15日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001021/files/50118_41519.html
  5. 青空文庫、2009年8月18日作成(底本:「山岳紀行文集 日本アルプス」岩波文庫、岩波書店、1994(平成6)年5月16日第5刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000027/files/2427_36015.html
  6. 青空文庫、2004年5月18日作成(底本:「菊池寛全集 第二十四巻」高松市菊池寛記念館、文藝春秋、1995(平成7)年8月30日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000083/files/43058_15655.html