牛耳る(ぎゅうじる)
- (他動詞) 中心人物となり、皆を思い通りに動かす。
- 少年達は少女達の中心にツルがゐて、彼女が少女達の輿論を牛耳つてゐるのを見た。(新美南吉 『登つていつた少年』)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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否定 |
牛耳らない |
未然形 + ない
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意志・勧誘 |
牛耳ろう |
未然形音便 + う
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丁寧 |
牛耳ります |
連用形 + ます
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過去・完了・状態 |
牛耳った |
連用形音便 + た
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言い切り |
牛耳る |
終止形のみ
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名詞化 |
牛耳ること |
連体形 + こと
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仮定条件 |
牛耳れば |
仮定形 + ば
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命令 |
牛耳れ |
命令形のみ
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- 近年では「牛耳よう」「牛耳て」「牛耳た」のように上一段活用させる事例も見られる。
- 中国の成語「執牛耳(牛耳を執る)」より、春秋戦国時代の中国において諸侯が盟約を結ぶときには、生け贄の牛の耳を切りその血をすする慣習があり、その際、牛の耳を切る者が会盟の長となったことから。
- (春秋左氏伝定公八年)趙簡子曰「群臣誰敢盟衛君者」、涉佗、成何曰「我能盟之」衛人請執牛耳