アイヌ語 編集

カナ表記 イヨッタ

発音 編集

  • IPA(?): /i.jot.ta/, [ʔi.jot̚.ta]

副詞 編集

iyotta

  1. いちばん。ことに。なかでも。もっとも
    • リクンモシリタ」/ドムンチカムイ」/アウヌフネワ」/アユビヒ」ドンアン」/アサハアン」/イヨッタボンベ」/アネルエネ」[1]
      rikun mosir ta / tumunci kamuy / a=unuhu ne wa / a=yupihi tun an / a=saha an / iyotta ponpe / a=ne ruwe ne.
      天の国の/トゥムンチカムイが/私の母親であって/兄さんが二人いて/姉がいて/一番小さいものが/私なのです。
    • イヨッタ ポン ペ アネ イネ オカアン ルウェ ネ アクス ポナサハ……[2]
      iyotta pon pe a=ne h_ine oka=an ruwe ne akusu pon a=saha...
      私は一番末っ子であり、私達は暮らしておりましたが、
    • イヨッタ・キヤンネ・/ラムブ・アン・ニシバ・/イヹバン・ニシバ・/セルマク・オルケ・/アフンケ・ヤクカ・/アニウケシ・ルエネ・[3]
      iyotta kiyanne / Ramup’annispa / Yepannispa / sermak orke / a=hunke yakka / a=niwkes ruwe ne.
      一番年長の/ラムパンニㇱパ・/イェパンニㇱパの/守護神には/呪いをかけても/しきれなかった。
    • アシヌマ イヨッタ サ ワ アナン ルウェ ネ ア ㇷ゚[4]
      asinuma iyotta sa wa an=an ruwe ne a p
      私は一番前の方にいたのですが、
    • イヨッタ イオㇱ ノ ネア アフン コㇿ[5]
      iyotta ios no nea ahun kor
      一番最後に、例の、入るときに
    • スㇽク トノマッ イヨッタ ヌプリケヘ アニスキネ[6]
      surku tonomat iyotta nupur h_ikehe a=nisuk h_ine
      トリカブトの女神のなかでも最も巫力が強い者に私は依頼して、
    • オトゥタヌ イヨッタ ウトゥㇽ ワノ アアン ヒネ オカアン ルウェ ネ[7]
      otutanu iyotta utur wano a=an hine oka=an ruwe ne
      その次に、一番下座に私が座っている
    • ピㇼカ ポン メノコ ポン ヒケ イヨッタ ピㇼカ ㇷ゚ ネ ヒ クス[8]
      pirka pon menoko pon hike iyotta pirka p ne hi kusu
      美しい娘の中でもいちばん美しかったので
    • エチエキㇺネ ワ イヨッタ ケウェリ ヌプリ カ タ エチオカ ワ[7]
      eci=eki mne wa iyotta keweri nupuri ka ta eci=oka wa
      お前たちが山に登って、最も高い山の上にお前たちが居て、

出典 編集

  1. 鍋沢元蔵 (1959), Nabesawa-5 yukar (3), in 中村裕; 遠藤志保, “鍋沢元蔵筆録ノート : 翻刻と訳注”, 国立民族学博物館所蔵 鍋沢元蔵ノートの研究, 2016-06-01, doi:10.15021/00006040 
  2. 黒川てしめ (1969), “22-6 ウエペケㇾ「ホイヌトノ イカオピューキ」(テンの神様が助けてくれた話)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  3. 鍋沢元蔵 (1928), Nabesawa-1 yukar (1), in 中村裕; 遠藤志保, “鍋沢元蔵筆録ノート : 翻刻と訳注”, 国立民族学博物館所蔵 鍋沢元蔵ノートの研究, 2016-06-01, doi:10.15021/00006040 
  4. 貝澤とぅるしの (1969), “1-8 シサㇺウエペケㇾ「ピㇼカ チャペ アレス」(良い猫を育てた)”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  5. 木村きみ (1969), “21-2 ウエペケㇾ「アサハ セタネ イカㇻ」(姉が私を犬にした)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  6. 貝澤とぅるしの (1969), “5-2 ウエペケㇾ「スルクマッ チクペニカムイ イカオピューキ」(トリカブトとエンジュのカムイが私を助けた)”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  7. 7.0 7.1 平賀さだも (1969), “7-2 ウエペケㇾ「ケソラㇷ゚ カムイ イレス」(孔雀の神に育てられた)”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  8. 黒川てしめ (1969), “24-4 ウエペケㇾ「スㇽクトノ イピㇼマ」(トリカブトの女神の警告)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月