おに

日本語

語源

• 暗闇を意味する「隠（オン→オヌ）」が転じたものとされる。漢字(外来語として)の鬼とは、意味はほぼ同じだが語源は異なる。

発音

• (東京式) おに​ [òníꜜ] (尾高型 – [2])
• IPA^(?): [o̞ɲ̟i]
• (京阪式) お​に

名詞

おに【鬼】

1. (神話・伝説の生物) 日本における代表的な伝説上の生物。強力な力を有し、暴力的で冷酷非情とされる。姿は、角を有し、牙をたくわえ、虎の褌のみ半裸で、全身赤又は青のものが現代では一般的。世の中に災厄を与える妖怪としての存在の他、地獄の獄卒とされる。
2. (語源としては異なる外来語)仏教の鬼の仮名書き、仏法を守る護法の神でもある羅刹天。
3. （語義1、2より転じて）天上の神に対して、地上の神、国つ神、荒ぶる神。
4. （語義1、2より転じて）仏教の夜叉^(wp)、地獄の獄卒とされる牛頭（ごず）・馬頭（めず）、地獄で餓鬼に対する羅刹^(wp)を指す。
5. (俗語) （語義1より転じて）餓鬼をさして、おにと俗称する。
6. （古語：現代でも稀に）追放された者、山賊^(wp)・海賊などの社会からの逸脱者、また先住民(蝦夷・熊襲など)・異人^(wp)・山姥^(wp)・山男^(wp)などの見なれない、異形（いぎょう・いけい）の者の事。
7. （古語）(語義6より転じて)、天狗^(wp)はもとより、山伏や山間部に住む山窩（さんか）^(wp)などを指すこともある。
8. 冷酷な人。
   • 鬼軍曹 / 鬼将軍 / 鬼監督
9. （語義8より転じて）(情けや、良心を持っていても)あえて厳しく接すること。
   • 心を鬼にする / 鬼の形相
10. （語義8、9より転じて）冷酷だと思われるほど物事に精魂を注ぐ人。
    • 仕事の鬼 / 学問の鬼
11. （語義10より転じて）特に勝負事において、秀でた能力や集中力を有する人や動物。
12. 死んだ人の魂。
    • 異国の鬼となる（＝外国で死ぬ）
    • 鬼火
13. 遊戯において、（一時的に）他の遊戯者と別の不名誉な役をつとめる人。　

関連語

• 鬼が笑う
• 鬼に金棒
• 鬼のいぬ間に洗濯
• 鬼の霍乱
• 鬼の目にも涙
• 鬼も十八、番茶も出花
• おにごっこ
• おにむしゃ
• おにがしま
• 羅卒、羅刹^(wp)
• 仕事の鬼、学問の鬼
• 鬼のような、鬼のように

翻訳

語義1

日本独自のものなので厳密な一致はないが、同様のイメージを与えるもの。

• イタリア語: demone, mostro
• 英語: fiend、demon（a demon for work：仕事の鬼）
• スペイン語: demonio, diablo, monstruo
• フランス語: monstre、bourreau（bourreau de travail：仕事の鬼）
• ポルトガル語: demónio, monstro

語義12

• 英語: ghost ^(en)
• スペイン語: fantasma ^(es) 男性
• ドイツ語: Geist ^(de) 男性
• フランス語: fantôme ^(fr) 男性

語義13

• 英語: tagger ^(en)

接頭辞 

おに

1. 無慈悲な、冷酷な。強くて恐ろしい、勇猛な。　（例）「鬼コーチ」、「鬼将軍」
2. 動植物の種の名前につく。おにやんま、おにあざみ、おにはまだいこん
3. （新語）（オニ）ギャル用語で、（鬼のような）の意味。超、凄い、たいへん(大きい、強い)と言う形の接頭辞として使われることが多い→オニムカ(凄く腹が立つ)　オニウマ（凄く美味しい）など。

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古典日本語

発音

二拍名詞三類^(?)

• (平安時代)うぉに
• (南北朝時代)うぉ​に
• (室町時代)うぉ​に
• (江戸時代)お​に

名詞

おに【鬼】

1. 死者の魂（たましい）。
2. (神話・伝説の生物) 恐（おそ）ろしい姿（すがた）をした伝説上の怪物。

接頭辞 

おに

1. 無慈悲な、冷酷な、勇猛な、巨大な。