日本語

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動詞

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すわりこむ(すわ)りむ】

  1. 立った状態から座った状態への動作をおこなう。着座する。
    • 次に坐り込んでから身體からだを左右にること七八度、そう振るのにはじめはあらくして次第しだいに細く振り、だんだんと基のまヽにかへるやうな工合ぐあいにして兀兀ごつごつ大磐石だいばんじゃくの如く不動に坐りこむのである。これ先つ坐禅をする即ち入定にゅうじょうの作法の概畧あらましじや。[1]
    • 座り込み動作(以下,着座)と立ち上がり動作(以下,起立)は,関節運動や身体重心(以下,COG)の軌跡など幾つかの類似点が周知されているが,… [2]
    • 地べたに少女はぐったりと座りこんで、身をちぢめて丸くなりました。(アンデルセン作 大久保ゆう 訳「マッチ売りの少女」)〔1999年〕[3]
    • 立った状態から継続して(立ち止まらず、座り込まずに)5m程度歩ける能力があるかどうかで選択する。(厚生労働省 「要介護認定 認定調査員テキスト 2009 改訂版」 )〔2009年〕[4]
    • 駐車場には、現場から戻って来た工事会社の方が立っていることができず、地べたに座り込み、… (東北電力 「とどける : 『つくる・おくる・ともす』の現場で : 社員の声で綴った記録」)〔2012年〕[5]
  2. 座った状態がしばらく続く[6]。前義の座り込みの結果の継続。しばしば、示威の意図を持って座り込みが行われる。
    • 次に坐り込んでから身體からだを左右にること七八度、そう振るのにはじめはあらくして次第しだいに細く振り、だんだんと基のまヽにかへるやうな工合ぐあいにして兀兀ごつごつ大磐石だいばんじゃくの如く不動に坐りこむのである。これ先つ坐禅をする即ち入定にゅうじょうの作法の概畧あらましじや。[1]
    • 債権者は、先ず債務者の門前数尺の地に麦を蒔き、その中央にドッカ座り込む。これ即ちこの麦が成熟して食えるようになるまでは、断食して居催促するぞという、大決心を示す意味である。(穂積陳重「法窓夜話」)〔1926年〕[7]
    • 物品を展示し、座り込む等して、売買等を執ように要求し、速やかにその場から立ち去らない(大分県「大分県迷惑防止条例」)〔2018年〕[8]
  3. 狭い空間、閉じた空間、誰かの隣など限られた空間に座る[9]
    • (略)いつもよく口を利く例になつてゐる頭の禿げた眇目かための教師が、俄かに居ずまひを直して、八畳の一間にぎつしりと座り込んでゐる教師達を見廻した。(石川啄木「道」)〔1919年〕[10]
    • 遺跡最上部のテラスに座りこむと、石組の陰にはビスカッチャ(鳴きウサギ)のかわいい姿があった。(中田秀一 「インカ帝国の旅」)〔2008年〕[11]
    • いつもと変わらない様子で「話、聞いた?」と未來の隣に座り込む。(乃南アサ「六月の雪」)〔2021年〕
  4. 抗議の意を示すために、1から3の義の座り込みのいずれか、または、すべてを行うこと。
    • ところが岩倉は「回答をくれるまでは帰らない」と仲間と一緒に深夜まで門前に座り込んだのである。(井沢元彦 「逆説の日本史19 幕末年代史編II) 〔2016〕[12]

語源

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すわる」と、複合動詞を作る「こむ」の結合したもの。

関連語

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活用

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翻訳

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語義2

脚注

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  1. 1.0 1.1 山田孝道 坐禅用心記・普勧坐禅儀講義 明治29.5 光融館 https://dl.ndl.go.jp/pid/822984/1/46 2023-01-16閲覧
  2. 郷 貴大ら.「立ち上がり動作と座り込み動作の速度制御における差異」理学療法学Supplement Vol. 2006 10.14900/cjpt.2006.0.A1246.0 2012-12-22閲覧
  3. ハンス・クリスチャン・アンデルセン作 (1846) "Den lille Pige med Svovlstikkerne", Dansk Folkekalender for 1846, H.B.Paull 英訳 (1846) "The Little Match-Seller" 大久保ゆう 日本語訳 (1999) 「マッチ売りの少女」, 青空文庫作成ファイル 2014-3-24 https://www.aozora.gr.jp/cards/000019/files/194_23024.html
  4. 厚生労働省 「要介護認定 認定調査員テキスト 2009 改訂版」 2009 https://www.mhlw.go.jp/content/000819416.pdf 2022-12-31閲覧
  5. 東北電力 「とどける : 『つくる・おくる・ともす』の現場で : 社員の声で綴った記録」2012-03 https://dl.ndl.go.jp/pid/10403951 2023-01-13 閲覧
  6. 王秀英: 日本語の複合動詞「~こむ」類と中国語の複合動詞"~进/入"類との対照研究 ー認知意味論からのアプローチー, 言語科学論集, vol.16, pp.73-84, 2012-12-01. https://cir.nii.ac.jp/crid/1050001202757005056.
  7. 穂積陳重「法窓夜話」「法窓夜話」有斐閣, 1926-01-25, 青空文庫作成ファイル 2001-08-23 https://www.aozora.gr.jp/cards/000301/files/1872.html
  8. 大分県迷惑防止条例 https://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/2024987.pdf 2023-01-12 閲覧。
  9. 姫野昌子: 複合動詞「~こむ」および内部移動を表す複合動詞類, 日本語学校論集, 1978-3-10. http://hdl.handle.net/10108/20517.
  10. 石川啄木「道」,「新小説」明治四十三年四月号, 1919-04-01, 青空文庫作成ファイル 2008-10-21 https://www.aozora.gr.jp/cards/000153/files/48367_33294.html
  11. 中田秀一: インカ帝国の旅, 佐久考古通信佐久考古学会, No.101, 2008-08-15. https://sitereports.nabunken.go.jp/70798.
  12. 井沢元彦: 「逆説の日本史19 幕末年代史編II 井伊直弼と尊王攘夷の謎」 小学館eBooks, 2016/4/11