ためらう

日本語

ためらう【躊躇う・逡巡う・猶予う】 (歴史的仮名遣い ためらふ)

決心がつかずにぐずぐずする。
- 「ここだ！」といって桂は先に立って、縄暖簾を潜った。僕はびっくりして、しばしためらっていると中から「オイ君！」と呼んだ。しかたがないから入ると、桂はほどよき場処に陣取って笑味を含んでこっちを見ている。（国木田独歩『非凡なる凡人』）
言葉を濁す。いいよどむ。
- 「ああ、王は悧巧だ。自惚れているがよい。私は、ちゃんと死ぬる覚悟で居るのに。命乞いなど決してしない。ただ、――」と言いかけて、メロスは足もとに視線を落し瞬時ためらい、「ただ、私に情をかけたいつもりなら、処刑までに三日間の日限を与えて下さい。たった一人の妹に、亭主を持たせてやりたいのです。三日のうちに、私は村で結婚式を挙げさせ、必ず、ここへ帰って来ます。」（太宰治『走れメロス』）

活用と結合例

ためら-う動詞活用表（日本語の活用）
ワ行五段活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
ためら	わお	いっ	う	う	え	え

イタリア語: esitare ^(it)
英語: hesitate ^(en)
スウェーデン語: tveka ^(sv)
スペイン語: dudar ^(es)
中国語: 踌躇 ^(zh) / 躊躇 ^(zh) (chóuchú)
デンマーク語: tøv ^(da)
ドイツ語: zögern ^(de)
フィンランド語: epäröidä ^(fi), aikailla ^(fi), empiä ^(fi), viivytellä ^(fi), vitkastella ^(fi)
フランス語: hésiter ^(fr)
ヘブライ語: להסס‎ ^(he)
ポーランド語: wahać się ^(pl)
ポルトガル語: hesitar ^(pt)
ラテン語: dubitāre ^(la)
ルーマニア語: ezita ^(ro)
ロシア語: колеба́ться ^(ru) 不完了体 (kolebátʹsja) / поколеба́ться ^(ru) 完了体 (pokolebátʹsja)