日本語

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語源

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古典日本語となふ

発音

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動詞:唱

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となえる唱える

  1. 特定文句出し言う
    • 程なく門跡様のお駕籠がまいりましたと見えて、なむあみだぶ、なむあみだぶ、と、念仏を唱える声が波の打つように聞えてまいりました。――田中貢太郎 (1920年). “図書カード:尼になった老婆”. 青空文庫. 2023年5月28日閲覧。
    • 先程から背の高い頑強そうな男と中年の婦人と、何か押問答していたが、そのうちに数珠を持った婦人はいきなり、その男の顔の真中を目がけて合掌すると、南無妙法蓮華経を唱えだしたのである。――原民喜 (1947年). “図書カード:西南北東”. 青空文庫. 2023年5月28日閲覧。
  2. 大声叫ぶ
    • 祝勝の式はすこぶる簡単なものであった。旅団長が祝詞を読む、知事が祝詞を読む、参列者が万歳ばんざい唱える。それでおしまいだ。――夏目漱石 (1906年). “図書カード:坊っちゃん”. 青空文庫. 2023年5月28日閲覧。
    • 「福は内、鬼は外」と言うことを知って居ますか。此は節分の夜、豆を撒いて唱えるコトバなのです。――折口信夫 (1936年). “図書カード:鬼を追い払う夜”. 青空文庫. 2023年5月28日閲覧。
  3. 主張などを人に先立っ発表する。提唱する。
    • ある政党の如きは抽象的に漫然と積極主義を唱え、鉄道の敷設なり、港湾の修築可なり、軍備の拡張また可なり、なんでもかでも百般の施設すべて積極的に引受ける。富を作るには当然資本を投ぜねばならぬ。国力を発展して世界的に雄飛するには、どうしてもこれでなくてはいかぬという様なことを唱えている。――大隈重信 (1912年). “図書カード:選挙人に与う”. 青空文庫. 2023年5月28日閲覧。
    • したがって常識上誰しも知っていてしかるべき法律を知らずにおりながら、ひとたびその適用を受けると、不平を唱えるというがごとき得手勝手は道徳上もまたこれを許しがたい。――末弘厳太郎 (1922年). “図書カード:役人の頭”. 青空文庫. 2023年5月28日閲覧。

活用

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動詞:称

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となえる称える

  1. 名付ける。称する。
    • 子規は死ぬ時に糸瓜へちまの句をんで死んだ男である。だから世人は子規の忌日を糸瓜忌と称え、子規自身の事を糸瓜仏となづけて居る。――夏目漱石 (1906年). “図書カード:『吾輩は猫である』中篇自序”. 青空文庫. 2023年5月28日閲覧。
    • わが邦東北の諸国にてあけびといえば、そこに多いこのみつばあけびのみで、そこでは単にあけびと称える――牧野富太郎 (1948年). “図書カード:アケビ”. 青空文庫. 2023年5月28日閲覧。

活用

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