倭

漢字

倭

• 部首: 人人 + 8 画
• 総画: 10画10

字源

• 形声。「人」+音符「委 /*ɁOJ/」。

意義

1. 日本の古称。
   • 倭人
2. （中国や朝鮮からの）日本の蔑称。
   • 倭寇、倭奴

日本語

表外漢字

音	漢音: イ[ヰ]、ワ 呉音: イ[ヰ]、ワ 唐音: エ[ヱ]、オ[ヲ]
訓	訓読み: したが-う、やまと 名乗り: まさ、やす

固有名詞

1. （ワ/やまと）日本の古称。おおむね、7世紀頃までの呼称であり、自称もしていた。7世紀に、この国号を棄て、「日本」と称し、また、「倭」に代えて「和」を、国を表わすのに用いるようになった。

参考

• 後漢・説文解字： 「倭」の項
  • <人部> 順皃従人委声（「順なる貌（すがた）。人に従い、委（ゆだねる）の声」）
  • なお従偏旁声は説文解字で多くの漢字に使われる定型句。意訳すると人部に属し、委と発音する。字の意味を説明している訳ではないので注意。説文解字は漢字の意味を調べるための字書ではない。
  • 詩経の“周道倭遟”（周への道は曲がりくねり遠い）という句の引用があり、早くから成立していた字である事が窺える（この場合、倭は「曲がりくねり」の意味）。
• 旧唐書・倭國日本國伝
  • 【白文】日本國者、倭國之別種也。以其國在日邊、故以日本為名。或曰、倭國自惡其名不雅，改為日本。或云、日本舊小國、併倭國之地。
  • 【訓読文】日本國は，倭國の別種なり。その國の日邊に在るを以て，故に日本を以ちて名と為。或ひは曰はく、倭國自ら其名の雅ならざるを惡みて、改め日本と為す。或ひは云はく、日本は舊（かつて）小國にして，倭國之地を併せると。
  • 【現代語訳】日本国は、倭国の別種である。その国が東にあるので、日本を国号とした。あるいは、その名が高貴でないのをいやがって、改めて日本と称したとも言われる。又、元々小国であった日本が、倭国を（攻めて）併合したものとも言われる。
• なぜ倭が国名となったのかについては、背が低い意など古来より様々な説が挙げられているが、どれも根拠に乏しく俗説の域を出ない。その由来は現在も不明となっている。

熟語

• 倭鞍
• 倭音
• 倭音
• 倭歌、倭歌
• 倭絵
• 倭学
• 倭館
• 倭錦
• 倭琴、倭琴
• 倭訓
• 倭語
• 倭国
• 倭産
• 倭詩
• 倭字
• 倭州
• 倭人
• 倭相
• 倭朝
• 倭奴
• 倭奴国
• 倭読
• 倭舞
• 倭文

中国語

倭 *

• ローマ字表記
  • 普通話
    • ピンイン: wō（wo1）,　wēi（wei1）
    • 注音符号: ㄨㄛ
  • 広東語
    • イェール式: wo1
  • 閩南語
    • POJ: e
  • 呉語
    • ピンイン: u1
  • 中古音: ʔuɑ
  • 上古音: *qoːl

固有名詞

1. （日本の古称）倭。

朝鮮語

倭 *

• ハングル: 왜, 위, 와
• 音訓読み: 왜나라 왜, 구불구불할 위, 나라 이름 와
  • 文化観光部2000年式: wae, wi, wa
  • マッキューン＝ライシャワー式: wae, wi, wa
  • イェール式: way, wi, wa

固有名詞

1. （日本の古称）倭。

ベトナム語

倭 *

• ローマ字表記
  • Quốc ngữ: oải

形容詞

1. 疲（つか）れた。疲労した。

文字情報

倭 U+502D, 倭 CJK 統合漢字-502D ← 倬 [U+502C] CJK統合漢字 倮 → [U+502E]

文字コード (文字集合規格)

-	Unicode: U+502D
日	JIS X 0213/0208: 1面47区33点 [第1水準] (Shift_JIS=0x9860, EUC-JP=0xCFC1, ISO-2022-JP=0x4F41) MJ文字図形: MJ006868
中	GB18030: 0xD9C1
台	Big5: 0xADD8 CNS 11643: 1面 0x543B
韓	KS X 1001: 0x685E

• 四角号碼: 2224₄
• 倉頡入力法: 人竹木女 (OHDV)

字典掲載

康熙字典	109ページ, 6文字目
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版)	796
新潮日本語漢字辞典 (2008)	461
角川大字源 (1992)	309
講談社新大字典 (1993)	602
大漢語林 (1992)	457
三星漢韓大辞典 (1988)	232ページ, 4文字目
漢語大字典 (1986-1989)	1巻, 179ページ, 8文字目