漢字

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  • ,「(「」の新字体)」を書く際に、右上に打点しこの字を書いてしまうことがあるが、「」と「専」は別字である。
  • 筆順:
(学校では、博の「尃」部分をこの筆順で教えている)
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字源

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  • 形声OC /*pʰ(r)a/)。「」(戦国時代以降は「寸」と書かれる)+音符「(⿱屮田) /*PA/[字源 1]。「しく」を意味する漢語 /*pʰ(r)a/}を表す字。
    • 音符の「(⿱屮田)」は「」の原字(圃#字源の項目を参照)。『説文解字』では「」と説明されているが、これは誤った分析である。金文の形を見ればわかるように「甫」とは関係がない。[字源 2]
    • 「甫」とは無関係のため、本来「尃」に点はつかず初唐楷書までは「」「」「」などは点がない「」に従って書かれてきた。中唐代で『説文解字』の誤った解釈により「甫」に従うとされ「尃」の字体になった。

<参考文献>

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  1. 張世超、孫凌安、金国泰、馬如森 『金文形義通解』 中文出版社、1996年、707-709頁。
    季旭昇撰 『説文新証』 芸文印書館、2014年、236-237頁。
  2. 何琳儀 『戦国古文字典』 中華書局、1998年、597-598頁。
    季旭昇撰 『説文新証』 芸文印書館、2014年、236-237頁。
    謝明文《“⿱屮田”“甫”關係新探——兼釋甲骨文中的“甫”字》
    謝明文《字詞關系研究助力古文字釋讀例説》(2024)
    『出土文獻與古文字教程 』(2024)中册p.360

関連字

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」を音符とする形声文字 (諧声域=*PA~PAK)
幫母滂母並母
一等平声 模韻 𥠵𧱹
上声 姥韻 簿
去声 暮韻 𤸵𤸵
(過韻:
入声 鐸韻 𪙍𩌏𥴮𦢸𥴮簿𩍿𩽛
幫母滂母並母
二等平声 麻韻
上声 馬韻 -
去声 禡韻
入声 陌韻 (麥韻:
幫母滂母並母
三等平声 虞韻 𣞒𧀮
上声 麌韻
去声 遇韻 𠪻
入声 藥韻 -𩅿
入声 陌韻 --𣝍

意義

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  1. (布などを)平らに均す。

日本語

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表外漢字

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用例
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この字を用いた数少ない例として、簿記学校が発行した簿記の教科書の前文に「した」と書いて「しるした」と読ませた箇所[2]があった。けれども、この字の成り立ちからいって「す」を「しるす」と読ませるには無理があり、「簿した」[3]の誤りである可能性が高い。

中国語

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文字情報

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U+5C03, &#23555;
CJK 統合漢字-5C03

[U+5C02]
CJK統合漢字
[U+5C04]
文字コード (文字集合規格)
-
  • KS X 1027-1: 0x2E28
字典掲載
康熙字典 294ページ, 12文字目
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版) 7433
新潮日本語漢字辞典 (2008) 2651
講談社新大字典 (1993) 3599
三星漢韓大辞典 (1988) 582ページ, 7文字目
漢語大字典 (1986-1989) 1巻, 506ページ, 7文字目

脚注

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  1. 1 2 『大きな活字の楷行草筆順・字体字典』江守賢治 三省堂 1983年における博、簿、薄の筆順
  2. 『ALFA 日商簿記』(各級、平成16年時点)大原簿記学校
  3. 『字訓』白川静(平凡社 1999年)