退社

日本語

名詞

退社 (たいしゃ)

1. 会社を辞めること。会社への所属を終えること。
   • 1936年、伊丹万作「映画界手近の問題」

     たとえ押し切って退社はしても協定加入の残り三社のいずれに対しても入社の希望を持つことができないのだから遊んで食うだけの資産でもないかぎり結局退社はできないことになる。

   • 2016年、堀内照文、第190回国会衆議院

     女性労働者の皆さんの声を聞きますと、仕事はとても充実していて長く勤めたいと考えているが、非正規のために雇いどめがささいなことで起きてしまうので心配だ、妊娠イコール退社となってしまうのが現状で、育休がとりにくいんだという声です。

2. その日の業務を終えて会社の建物や敷地から出ること。
   • 1930年、平林初之輔「夏の夜の冒険」

     そして二人とも夜勤の番だったので、夕方の五時に出社して、夜中の十一時に社をひきあげることになっていた。二人とも、出社の時刻はおくれても、退社の時刻は一分間だっておまけをしないなまけ者だった。

   • 1952年、豊島与志雄「擬体」

     退社間際になって、青木は、ちょっと居残ってくれるようにと石村から言われて、自席に残った。同僚が退出した後の事務室は、空気までも冷え冷えとしてきた感じで、眼を慰めるものとてない。

類義語

• （語義1）退職、辞職
• （語義2）退勤

対義語

• （語義1）入社、就職
• （語義2）出社、出勤

複合語

• 寿退社

翻訳

語義1

• 英語：resignation

動詞

退社する (たいしゃする)

1. (他動詞) 会社を辞める。会社への所属を終える。
   • 1932年、黒島傳治「明治の戦争文学」

     幸徳、堺は「万朝報」を退社し、「平民社」を創立した。そして、十一月十五日「平民新聞」第一号を発行した。

   • 2011年、北村茂男、第177回国会衆議院

     将来を嘱望される若い青年でありますが、自分の人生をと考えて新聞社を退社し、広く世界に羽ばたくための語学の研修でということでニュージーランドへ行っておられたようであります。

2. (他動詞) その日の業務を終えて会社の建物や敷地から出る。
   • 2015年、上野通子、第189回国会参議院

     働く女性にとっては、長時間労働は大変大きな問題となってきます。特に、結婚されて、出産されて、育児されると。その期間、働くということ、それをまた理由として早く会社を退社させていただくとはなかなか言いづらい。

   • 2016年、長妻昭、第190回国会衆議院

     例えば、夜十一時に会社を退社したら、次の日は朝十時より前に会社に来ちゃいけない、休息しなきゃいけないというのがインターバル規制でございます。

活用

活用と結合例

退社-する 動詞活用表（日本語の活用）

サ行変格活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
退社	し せ さ	し	する	する	すれ	しろ せよ

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	退社しない	未然形 + ない
否定(古風)	退社せず	未然形 + ず
自発・受身 可能・尊敬	退社される	未然形 + れる
丁寧	退社します	連用形 + ます
過去・完了・状態	退社した	連用形 + た
言い切り	退社する	終止形のみ
名詞化	退社すること	連体形 + こと
仮定条件	退社すれば	仮定形 + ば
命令	退社しろ 退社せよ	命令形のみ

類義語

• （語義1）退職する、辞職する
• （語義2）退勤する、退ける

対義語

• （語義1）入社する、就職する
• （語義2）出社する、出勤する

翻訳

語義1

• 英語：leave, resign, （すでに退社しているの意で）be no longer with
• 中国語:离开公司/離開公司, 退职/退職

語義2

• 英語：leave
• 英語：下班

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