キクユ語

編集

異表記・別形

編集

語源

編集

スワヒリ語 farasi の借用[1]

発音(?)

編集
 
Armstrong (1940:xix) より。
  • IPA: /mbàɾá(ː)ðì(ꜜ)/
2音節目の a は短母音の場合と長母音の場合の2通りがある[1]
Armstrong (1940:52) では mũceeremũirĩtumbarathimbaraaði と表記)、ndũrũmemũthangaMũthũngũ は3音節かつ孤立形で右の画像の最上段に見えるような「中、高、低め」という声調を帯びる名詞とされており[2]、これら6語はキアンブ方言の下位方言であるリムル方言を扱った湯川 (1981) では mũkihamagathĩgĩcũhĩmũnyagomũrarĩmũgogo(複数: mĩgogo)、mũgaathamakimũberethimũthamakithabinamũtokaanjogoomũcakwetherũmũceereMũthũngũmũthanganjũirĩithori(複数: maithori)、mwegethomũcemaniokĩgokorambarathikĩroruhamũtembeindagitari などは同じ「高低I型」アクセントの名詞と分類されている[3]。Benson (1964) では声調クラスの分類は「クラス3」で、他に同クラスの3音節語幹語には kĩgokorambarĩkikiumĩrithimiti などがある。
  • 〔キアンブ方言〕
  • 〔リムル方言〕湯川 (1981:100) によると孤立形は [bàɾáàðì] であるが、後ろに ĩno〈この〉が続く場合は [bàɾááðì ènɔ́]、yakwa〈私の〉が続く場合も [bàɾááðì jààkóá]、後ろに がある場合も [bàɾááðì nè] で、前に がある場合は [ḿbàɾáàðì]、前に ti がある場合は [ḿbáɾáàðì] となるなど、前後に他の語が存在するか、存在する場合はどのような種類の語であるかによってアクセントの変動が見られる[3]。なお、ti の高さについてはリムル方言と同じくキアンブ方言に属するナイロビ方言を調査した湯川 (1985:199) で高いと訂正されている[4]

名詞

編集

mbarathi クラス9/10(複数: mbarathi

脚注

編集
  1. 1.0 1.1 "mbarathi" in Benson, T.G. (1964). Kikuyu-English dictionary. Oxford: Clarendon Press.
  2. Armstrong, Lilias E. (1940). The Phonetic and Tonal Structure of Kikuyu. Rep. 1967. (Also in 2018 by Routledge).
  3. 3.0 3.1 湯川, 恭敏キクユ語名詞アクセント試論――リムル方言について――」『アジア・アフリカ言語文化研究』第22巻、1981年、 75-123頁。
  4. 湯川恭敏 (1985).「キクユ語名詞アクセント再論」 『アジア・アフリカ言語文化研究』29, 190-231.