曰

漢字

曰

会意。「口」+横棒、人の口から声がでるさまを象る^{[字源 1]}。「いう」を意味する漢語｛曰 /*wat/｝を表す字。
- 『説文解字』では「口」+音符「乙」と説明されているが、これは誤った分析である。甲骨文字^{[字源 2]}や金文^{[字源 3]}の形を見ればわかるように、「乙」とは関係がない。

甲骨文字	金文	簡帛文字	小篆	流伝の古文字

殷	西周	戦国時代	《説文》（漢）	《六書通》（明）

↑ 裘錫圭『文字学概要』商務印書館、1988年、127頁。
張世超、孫凌安、金国泰、馬如森『金文形義通解』中文出版社、1996年、1108-1111頁。
林志強等評注『《文源》評注』中国社会科学出版社、2017年、174頁。
徐超『古漢字通解500例』中華書局、2022年、253頁。
↑ 李宗焜編著『甲骨文字編』中華書局、2012年、231-233頁。
劉釗主編『新甲骨文編（増訂本）』福建人民出版社、2014年、288-289頁。
夏大兆編著『商代文字字形表』上海古籍出版社、2017年、188-189頁。
↑ 江学旺編著『西周文字字形表』上海古籍出版社、2017年、184-185頁。
張俊成編著『西周金文字編』上海古籍出版社、2018年、228-229頁。

↑ Axel Schuessler, ABC Etymological Dictionary of old chinese, University of Hawaii Press, 2006, p. 595.

音	漢音: エツ[ヱツ] 呉音: オチ[ヲチ]
訓	訓読み: いわ-く、い-う、ここ-に、のたま-わく、のたま-う、のたま-わす

ローマ字表記
- 普通話
  - ピンイン: yuē (yue1)
  - ウェード式: yüeh¹
  - 注音符号: ㄩㄝ
- 広東語
  - イェール式: yeuk6, yut6
- 閩南語
  - POJ: oa̍t
- 閩北語
  - KCR: uā
- 客家語
  - 白話字: yet, yat
- 呉語
  - ピンイン: yuih4
- 湘語: ye6
- 中古音: hjwot
- 上古音:
  - 白一平-サガール: *[ɢ]ʷat
  - 鄭張: *ɢʷad

曰	U+66F0, 曰 CJK 統合漢字-66F0

文字コード (文字集合規格)
-	Unicode: U+66F0
日	JIS X 0213/0208: 1面59区9点 [第2水準] (`Shift_JIS=0x9E48`, `EUC-JP=0xDBA9`, `ISO-2022-JP=0x5B29`) MJ文字図形: MJ013478
中	GB18030: `0xD4BB`
台	Big5: `0xA4EA` CNS 11643: 1面 `0x454B`
韓	KS X 1001: `0x6858`