死別(しべつ)
- 誰かが死に、その人と共に生きることが二度とできなくなること。しにわかれ。
- 現在坂上とよ子は十九歳で、母との死別の悲しみからもまだ二か月とは経っていないものだった。(鷹野つぎ「草藪」)[1]
死別-する(しべつ-する)
- (自動詞) 誰かが死に、その人と共に生きることが二度とできなくなる。しにわかれる。
- けれど、私の母は非常に丈夫な上に意志の強い人です。父と早く死別した後、姉と私とたった二人姉妹ではあったが、兎に角父の商売だった葉茶屋を続けて、そして私達を育ててくれました。(上村松園「画道と女性」)〔1930年〕[2]
- 「別れる」と同様に相手を「と」「に」で受けることができる。ただし、「に」を使うのはやや古風。
- さち子は三歳のときに実母と死別したので、その顔はうろ覚えだったが(江戸川乱歩「影男」)〔1955年〕[3]
- 妻に死別した直後にはこれほど悲しいことはないと思うのが普通だろうが(紫式部「源氏物語」)〔與謝野晶子訳1939年〕[4]
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | 死別しない | 未然形 + ない |
否定(古風) | 死別せず | 未然形 + ず |
自発・受身 可能・尊敬 | 死別される | 未然形 + れる |
丁寧 | 死別します | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | 死別した | 連用形 + た |
言い切り | 死別する | 終止形のみ |
名詞化 | 死別すること | 連体形 + こと |
仮定条件 | 死別すれば | 仮定形 + ば |
命令 | 死別しろ 死別せよ | 命令形のみ |