はじる【恥じる・愧じる・羞じる】
- 恥ずかしいと思う。
- 私は自分を愧じた。とともに新しい勇気が底力強く湧き上がって来た。(和辻哲郎「生きること作ること」)〔1916年〕[1]
- 三根夫は、ガスコが地球人のくせに、こんなところで地球人の面よごしになるようなことをして、すこしも恥じないのをこのまま見のがしておくことはできなかった。(海野十三「怪星ガン」)〔1948年-1949年〕[2]
- 彼は自分の態度がわるかったために、女を怒らせたに相違ないことを羞じた。(坂口安吾「牛」)〔1953年〕[3]
- (否定形で)自分や、その集団の名誉を傷つける。見劣りがする。ひけをとる。つり合わない。まける。
- うしろに嶮しい山を控えて、屋敷はさすがに知行高二千八百石の名に恥じない御陣屋風の広大もない構えでした。(佐々木味津三「旗本退屈男」)〔1929年-1931年〕[4]
- 酒もやめ、煙草もひかえ、あらゆる執着をたち、自分を清く澄み返らせて、彼女に恥じないだけの者になろうと決心する。(豊島与志雄「南さんの恋人」)〔1936年〕[5]
- 語義2は、打消・否定形の言い回しで「~に恥じない」の形で使われることがほとんどで、実質的には「~の名誉を傷つけない(ほどに十分である、立派である)」という意味を表すために用いられる。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | はじない | 未然形 + ない |
意志・勧誘 | はじよう | 未然形 + よう |
丁寧 | はじます | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | はじた | 連用形 + た |
言い切り | はじる | 終止形のみ |
名詞化 | はじること | 連体形 + こと |
仮定条件 | はじれば | 仮定形 + ば |
命令 | はじろ はじよ | 命令形のみ |