漢字

字源

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「缶」には二種類の字が存在する(別字衝突)。

  1. 「フ」と読む字。ほとぎ、土器。
    形声。音符「(「」と呼ばれる太鼓を叩く道具の形) /*PU/」+羨符「口」[字源 1]。{缶 /*p(r)uʔ/}を表す字で、土器を意味する。
  2. 「カン」と読む字。「」の略字。
    」は、「缶」+音符「」で、「カン」の音を持ち、小型円筒状の土器を意味した。幕末から明治期に、欧米から「缶詰」の技術が到来したときに、オランダ語"kan"又は英語"can"の音に合わせて、「罐」の字を当てたもの(現在の中国でも、金属製容器に「罐」を用いるのは、この用法の輸出か)。明治から昭和にいたり用いられる機会が増え、俗字として音符「雚」を落としたものが通用。常用漢字採択において正式に採用されたものである。
 

 

 

 
甲骨文字

金文

小篆

流伝の古文字

春秋時代

説文
(漢)
《六書通》
(明)
  1. 郭小武 「古文字考釈五題」 『殷都学刊』2001年第3期 90-91頁。
    徐宝貴、孫臣 「古文字考釈四則」 『考古与文物』2001年第1期 78-79頁。
    袁倫強 『《新甲骨文編》(増訂本)校補』 西南大学碩士論文、2018年、77-81頁。
    謝明文 「談“宝”論“富”」 『文献』2022年1期 116頁。

関連字

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」を音符とする形声文字 (諧声域=*PU)
幫母 滂母 並母
一等 平声 豪韻
(咍韻:𡜊
(定母:
上声 晧韻 -
去声 號韻 -
入声 沃韻
二等 平声 肴韻
上声 巧韻 -
去声 效韻
入声 覺韻
三等C 平声 尤韻 (宵韻A:
上声 有韻 𡜊 (虞韻:𠛺
去声 宥韻
入声 屋韻
※缶()⇒

意義

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  1. ほとぎ。円筒状又は壺状の土器。
  2. 、語義1の土器製の打楽器。
  3. (日本発祥 「」の略体)食品等保管のための金属容器。

日本語

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常用漢字

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名詞

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  1. カン 「」の略体)食品や飲料物を密閉して長期間保管するために、作られた金属の容器。

語源

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オランダ語"kan"又は英語"can"

熟語

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中国語

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*

朝鮮語

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*

文字情報

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U+7F36, 缶
CJK 統合漢字-7F36

[U+7F35]
CJK統合漢字
[U+7F37]
文字コード (文字集合規格)
-
  • KS X 1001: 0x5D2E


漢点字 六点漢字
字典掲載
康熙字典 944ページ, 26文字目
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版) 28108
新潮日本語漢字辞典 (2008) 9217
角川大字源 (1992) 7597
講談社新大字典 (1993) 12582
大漢語林 (1992) 8897
三星漢韓大辞典 (1988) 1385ページ, 1文字目
漢語大字典 (1986-1989) 5巻, 2935ページ, 1文字目