枢要 (すうよう)
- 物事の肝要な所。かなめ。中枢。要点[1]。「枢」は「くるる(開き戸の回転軸)」の意。
- 人之生不能無群。群而無分則争、争則乱、乱則窮矣。故無分者、人之大害也。有分者、天下之本利也。而人君者、所以管分之枢要也。(『荀子』富国篇)
- 人の生は群する無きこと能はず。群して分無ければ則ち争ひ、争へば則ち乱れ、乱るれば則ち窮む。故に分無きは人の大害なり。分有るは天下の本利なり。而して人君は分を管する枢要の所以なり。
- 人は群れなければ生きてゆけない。群れていても分(身分の序列や役割の分担)が無ければ争いが起こり、争いが起これば世が乱れ、世が乱れれば窮迫する。だから、分が無ければ人々に大きな害をなす。分があることこそが天下を安定させる基本である。そして君主はこの分を管理する重要な存在なのである。
- シンガポールはマラッカ海峡咽喉の地にありて、実に枢要の港口なり。(井上円了『西航日録』)
- 肝要であるさま。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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推量・意志 |
枢要だろう |
未然形 + う
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過去・完了 |
枢要だった |
連用形 + た
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否定形 |
枢要でない |
連用形 + ない
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自動詞化 |
枢要になる |
連用形 + なる
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言い切り |
枢要だ |
終止形のみ
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名詞化 |
枢要なこと |
連体形 + こと
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仮定条件 |
枢要ならば |
仮定形 + ば
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様態 |
枢要そうだ |
語幹 + そうだ
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