字源

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  • 象形。肘を象る。「」の「寸」の部分に由来し、{ /*t-kruʔ/}を表す字を仮借して数詞{九 /*kuʔ/}に用いたもの。[字源 1]
    • かつて「一からの数字を最後にまとめる意味」[字源 2]「竜を象った文字」[字源 3]などの解釈があったが、こうした説は資料と一致していない記述が含まれていたり根拠のない憶測に基づいていたりする誤った分析である。
   

 

 

 
甲骨文字 金文

簡帛文字

小篆

流伝の古文字
西周

戦国時代 説文
(漢)
《六書通》
(明)
  1. 丁山 「数名古誼」 『歴史語言研究所集刊』第1本第1分 中央研究院歴史語言研究所、1928年、94頁。
    明義士 「柏根氏旧蔵甲骨文字考釈」 『斉大季刊』第7期 1935年、51頁。
    李孝定編述 『甲骨文字集釈』 中央研究院歴史語言研究所、1970年、4187-4190頁。
    張世超、孫凌安、金国泰、馬如森 『金文形義通解』 中文出版社、1996年、3385-3387頁。
    William H. Baxter and Laurent Sagart, Old Chinese - A New Reconstruction, Oxford University Press, 2014, p. 155.
    葛亮 「古字新識(六)——説数字(中)」 『書与画』2020年6期、61頁。
  2. 藤堂
  3. 白川

関連字

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」を音符とする形声文字 (諧声域=*KU)
見母 溪母 匣母 影母 曉母
一等 平声 豪韻
上声 皓韻
去声 號韻 (候韻:𠹝
入声 沃韻 -
見母 溪母 匣母 影母 曉母
二等 平声 肴韻
上声 巧韻 -
去声 效韻
入声 覺韻
見母 溪母 群母 影母 曉母
三等A 平声 尤韻
𦬖
上声 有韻
去声 宥韻
(來母:
-
入声 屋韻 𨸰𩬜𣐊𧿻 (燭韻:
見母 溪母 群母 影母 曉母
三等B 平声 脂韻
上声 旨韻 𣷾氿𧗝
去声 至韻 -
入声 屋韻

意義

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  1. (数字)9の二乗。

語源

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  • シナ・チベット祖語 *kuʔ9)より。
    • チベット語 དགུ 、ビルマ語 ကိုး 、西夏語 𗢭 、四土ギャロン語 kəngû 、ジンポー語 jahkù 、ガロ語 -sku 等と同根。[語源 1]
  1. Paul Benedict, Sino-Tibetan: a Conspectus, Cambridge University Press, p. 162.
    Weldon South Coblin, A Sinologists Handlist of Sino-Tibetan Lexical Comparisons, Steyler Verlag, 1986, p. 113.
    龔煌城 「The System of Finals in Proto-Sino-Tibetan」 『漢蔵語研究論文集』 北京大学出版社、2002年、83、89、117頁。
    James Matisoff, Handbook of Proto-Tibeto-Burman, University of California Press, 2003, p. 199.
    Axel Schuessler, ABC Etymological Dictionary of old chinese, University of Hawaii Press, 2006, p. 320.
    Shuya Zhang, Guillaume Jacques, and Yunfan Lai, A study of cognates between Gyalrong languages and Old Chinese, Journal of Language Relationship, 17, 2019, p. 81.

日本語

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発音(?)

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熟語

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名詞

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きゅう

  1. 9の二乗。の次の数。助数詞が続く場合や小数部ではきゅうと読むことが多いが、「」と読む例外もある。ナイン
    • 九個きゅうこ
    • 九匹きゅうひき
    • 九人きゅうにん、くにん
    • 九段きゅうだん、くだん
    • 九年きゅうねん、くねん
    • 九時くじ
    • 九月くがつ
    • 九分九厘くぶくりん

翻訳

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中国語

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数詞

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  1. 9

形容詞

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  1. くりかえしたびたび多数の。

熟語

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朝鮮語

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*

名詞: 数詞

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  1. 9

熟語: 朝鮮語

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ベトナム語

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*


コード等

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点字

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