アイヌ語

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カナ表記 オリパㇰ

発音

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  • IPA(?): /o.ɾi.pak/, [ʔo.ɾi.pak̚]

動詞

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oripak (自動詞, 1項動詞)

  1. かしこまる。つつしむ。畏敬いけいする。おそれて礼儀れいぎただしくする。
    • カムイ オピッタ オリパㇰ ヤン」[1]
      kamuy opitta oripak yan
      神々すべてよ、落ちついてください」
    • ソモ ネㇷ゚ イェ ノ オリパㇰ ノ アフンテ クス イェ!」[2]
      somo nep ye no oripak no ahunte kusu ye!
      何も言わずに畏まって招き入れるとお伝えしなさい」
    • オリパㇰ トゥラ ネ ヤッカ アオナ ウエペケンヌ ア ルウェ アン?」[3]
      oripak tura ne yakka a=ona u epekennu a ruwe an?
      畏れながら、父上はお尋ねになりましたか?」
    • ラムアン イタㇰ オリパㇰ イタㇰ エイワンケ ハウェ アオクヌレ カ キ。[4]
      ramuan itak oripak itak eywanke hawe a=okunure ka ki.
      賢い言葉、丁重な言葉を使って話すのにも驚いた。
    • キサㇻ アナㇰ ソモ オリパㇰ ペ ネ クス キ コㇿ[5]
      kisar anak somo oripak pe ne kusu ki kor
      萱原は畏れ慎まないものであるので、 (明けの明星と宵の明星のカムイに )イナウを送って
    • センニ・トニ・/コシケブニ・/ソモキノボ・/オリバク・キワ・/オカロク・アワ・/アコロユビ■・/エネイタキ・[6]
      senne toni / kosikepuni / somo ki nopo / oripak ki wa / oka rok awa / a=kor yupi / ene itak _hi
      決して兄のほうに/目を上げることを/しないで/おそれ慎んで/いると/兄さんは/こう言った。
    • 「アヌン アヤントコン ナ オリパㇰ ワ アン」[7]
      anun a=yantokor_ na oripak wa an
      「お客さんを泊めますからね。慎みなさい。 」
    • アナッキコロカ」/オリバㇰルイバブ」/ソヹンバワ」/バヹルエネ」[8]
      anakkikorka / oripak ruy pa p / soyenpa wa / paye ruwe ne.
      けれども(兄と姉は)/ひどく遠慮していたが/外に出て/出かけて行った。

活用

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人称 単数形 複数形
一人称 k(u)=oripak oripak=as
二人称 e=oripak eci=oripak
三人称 oripak oripak
不定称 oripak=an oripak=an

派生語

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名詞

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oripak

  1. 疱瘡ほうそう天然痘てんねんとう

出典

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  1. 鍋澤ねぷき (1969), “16-8 ルパイェユカㇻ「ウェンクㇽ フチ イレス」(貧乏人のお婆さんに育てられた)”, 第2年次調査研究報告書2/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  2. 貝澤とぅるしの (1969), “6-5 ウエペケㇾ「ケトゥペ カムイ イレス」(ケトゥペカムイに育てられた)”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  3. 貝澤とぅるしの (1969), “6-5 ウエペケㇾ「ケトゥペ カムイ イレス」(ケトゥペカムイに育てられた)”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  4. 平賀さだも (1969), “10-3 ウエペケㇾ「ウラユシウンクㇽ」(ウラユシの人)”, 第2年次調査研究報告書2/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  5. 貝澤とぅるしの (1969), “5-6 ウエペケㇾ「アロヌマンノチュー トゥレシヒ イカオピューキ」(宵の明星の妹が私 を助けた)”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  6. 鍋沢元蔵 (1928), Nabesawa-1 yukar (1), in 中村裕; 遠藤志保, “鍋沢元蔵筆録ノート : 翻刻と訳注”, 国立民族学博物館所蔵 鍋沢元蔵ノートの研究, 2016-06-01, doi:10.15021/00006040 
  7. 平目よし (1969), “18-4 ウエペケㇾ「ウッコッナイ アイヌ アネ」途中でテープ切れ(好色が元で死んだ男の話)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  8. 鍋沢元蔵 (1959), Nabesawa-5 yukar (3), in 中村裕; 遠藤志保, “鍋沢元蔵筆録ノート : 翻刻と訳注”, 国立民族学博物館所蔵 鍋沢元蔵ノートの研究, 2016-06-01, doi:10.15021/00006040 
  9. 平賀さだも (1969), “10-3 ウエペケㇾ「ウラユシウンクㇽ」(ウラユシの人)”, 第2年次調査研究報告書2/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  10. 木村きみ (1969), “21-6 ウエペケㇾ「ポンニマ」途中テープ切れ 22号へ続く(小皿)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  11. 木村きみ (1969), “20-4 ウエペケㇾ「カウカウ ノカ オマ コソンテ ミ カムイ アオナハ ネ」(霰模様の小袖を着た神が私の父だった)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  12. 木村きみ (1969), “20-4 ウエペケㇾ「カウカウ ノカ オマ コソンテ ミ カムイ アオナハ ネ」(霰模様の小袖を着た神が私の父だった)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  13. 平賀さだも (1969), “11-1 ウエペケㇾ「ウラユシウンクㇽ」(ウラユシの人)”, 第2年次調査研究報告書2/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月