亂臣賊子 および 乱臣贼子 も参照。

日本語 編集

成句 編集

   (らんしんぞくし)

  1. 不忠不孝の者を指す語。「乱臣」は「乱す[1]、「賊子」は「不孝の」の意[2]

発音(?) 編集

ら↗んしんぞ↘くし

出典 編集

孟子巻6・滕文公章句下

【白文】
昔者禹抑洪水而天下平。周公兼夷狄、驅猛獸而百姓寧。孔子成『春秋』而亂臣賊子懼。
【訓読文】
昔者むかし洪水抑へ天下たひらかなり。周公夷狄兼ね猛獣駆り百姓ひゃくせいやすし。孔子、『春秋』を成し乱臣賊子おそる。
【訓読文】
が洪水を抑えたお陰で、天下は平和になった。周公蛮族併合し、猛獣を追い払ったお陰で、人民安寧になった。孔子が『春秋』を編纂したお陰で、乱臣賊子は(筆誅を)恐れるようになった。
【補説】
門人の公都子から「世間の人々は皆、先生を議論好きだと申しております」と聞かされた孟子が、「世が乱れ、楊朱墨翟(ぼくてき)の主張するような邪説がはびこっているから、やむを得ず議論しているだけだ」と説いた発言の一節。孟子は、天下を安定させるために尽力した人物として禹・周公・孔子の三名を挙げ、自分も人心を正し邪説を排撃して、これら三聖者の志を継承したいとの決意を語っている。

対義語 編集


脚注 編集

  1. 上田万年松井簡治『大日本国語辞典』 金港堂書籍、第4巻、1919年12月18日、紙面1414ページ、デジタル630ページ、全国書誌番号:43022818、国立国会図書館デジタルライブラリー pid 954648/630
  2. 上田万年松井簡治『大日本国語辞典』 金港堂書籍、第3巻、1917年12月4日、紙面288ページ、デジタル148ページ、全国書誌番号:43022818、国立国会図書館デジタルライブラリー pid 954647/148