アイヌ語

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カナ表記 プリ

発音

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語源

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日本語 振り からの借用語

名詞

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puri

  1. い。おこない。素行そこう所作しょさ態度たいど
    • ヌプリ ケスン プリ ウェン クン ネ ヤッカ[1]
      nupuri kes un puri wen ku r_ ne yakka
      山裾に住む振る舞いの悪い者(熊)でも、
    • エコㇿ ウェン プリ[2]
      e=kor wen puri
      お前の悪い行い
    • イテキ ネノ アン ウェン プリ コㇿ[3]
      iteki neno an wen puri kor
      そのような悪い振る舞いをしてはいけないよ
    • ニㇱパ プリ ウタㇻパ プリ エエアㇱカイ ヤㇰネ[4]
      nispa puri utarpa puri e=easkay yakne
      長者の態度、人の上に立つ立派な人の態度ができれば、
    • エネ ヘタㇷ゚ プリ ピㇼカ ニㇱパ ネ ア ㇷ゚。[5]
      ene hetap puri pirka nispa ne a p.
      こんなにも行いの良い旦那であるのに
    • パㇰノ プリ ピㇼカ ニㇱパ イサㇺ ペ ネ ルウェ ネ[6]
      pakno puri pirka nispa isam pe ne ruwe ne
      それほど行いの立派な紳士はほかにはいないもので、
    • オカケ タ ヌプリ ケスン プリ ウェン クㇽ アノミ ワ[1]
      okake ta nupuri kes un puri wen kur a=nomi wa
      その後、私は山裾に住む素行の悪い者へ祈って、
  2. やり方。仕方しかた仕業しわざ
    • キロクアワ・/アコロヱカシ・/オドヘンクロル・/オレヘンクロル・/イコアヌ/アカムイミツボホ・/ロルンベブリ・/ヱアシカイシリ・[7]
      ki rok awa / a=kor ekasi / otu henkuror / ore henkuror / i=koanu / “a=kamuymippoho / rorunpe puri / easkay siri.”
      そうすると/お爺さんは/何度もうなずき/幾度もうなずき/喜んで/「わが愛孫は/戦いの仕方が/上手だな」
  3. ならわし。習慣しゅうかん風習ふうしゅう文化ぶんか
    • ウ ニㇱパ プリ[8]
      u nispa puri
      立派な人の風習
    • トカㇷ゚チ ウイルㇷ゚ アナㇰ シンナ プリ コㇿ パ ㇷ゚ ネ クス[9]
      Tokapci uir up anak sinna puri kor pa p ne kusu
      十勝の人たちは違う風習を持っているものだから
    • クコロ[ヘカッタラ/又大人]/タスムカラシリ,/ヱネクヹヒ,/イサムワクス/ヱカシカルブリ,/ネアクス/クコロミチ/カンビカタ/ヌイバ イタク/イレスカムイ/ヱコイタクカラ/クキハヹ/ネヒタバンタバンナ[10]
      ku=kor hekattar / tasumkar siri / ene ku=ye hi / isam wa kusu / ekasi kar puri / ne a kusu / ku=kor mici / kampi ka ta / nuypa itak / iresu kamuy / ekoytakkar / ku=ki hawe / ne hi tapan na.
      子供(又は大人)が/病気になって/どうしようも/ないので/父祖の習わし/ですから/私の父が/紙の上に/書いた言葉を/育ての媼神に/捧げ唱え/申し上げるの/ですよ。

出典

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  1. 1.0 1.1 木村きみ (1969), “21-4 ウエペケㇾ「モシㇼパサリヒタ ソアタイ タックス アㇻパアン」(斜里の村へ借金を請求しに私は行った)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  2. 平賀さだも (1969), “12-2 ユカㇻ「アペサㇰスクㇷ゚ ワッカサㇰスクㇷ゚」続き(火なしに育った、水なしに育った(続き ))”, 第2年次調査研究報告書2/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  3. 貝澤とぅるしの (1969), “5-2 ウエペケㇾ「スルクマッ チクペニカムイ イカオピューキ」(トリカブトとエンジュのカムイが私を助けた)”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  4. 貝澤とぅるしの (1969), “2-4 ウエペケㇾ「アウナㇻペ イキモルラ」(おばに山へ連れられて)”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  5. 貝澤とぅるしの (1969), “6-3 ウエペケㇾ「チシナオッ イタㇰ ハウェ アヌ」(死人の声を私は聞いた)”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  6. 貝澤とぅるしの (1969), “2-2 ウエペケㇾ「ランコ カッケマッ」(桂の木の女神)”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  7. 鍋沢元蔵 (1954), Nabesawa-3 yukar (2), in 中村裕; 遠藤志保, “鍋沢元蔵筆録ノート : 翻刻と訳注”, 国立民族学博物館所蔵 鍋沢元蔵ノートの研究, 2016-06-01, doi:10.15021/00006040 
  8. 平賀さだも (1969), “11-6 ユカㇻ「アペサㇰスクㇷ゚ ワッカサㇰスクㇷ゚」(火なしに育った、水なしに育った)”, 第2年次調査研究報告書2/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  9. 平目よし (1969), “18-4 ウエペケㇾ「ウッコッナイ アイヌ アネ」途中でテープ切れ(好色が元で死んだ男の話)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  10. 鍋沢元蔵 (1954), Nabesawa-4 inonnoytak (2), in 中村裕; 遠藤志保, “鍋沢元蔵筆録ノート : 翻刻と訳注”, 国立民族学博物館所蔵 鍋沢元蔵ノートの研究, 2016-06-01, doi:10.15021/00006040