Kar 、 kár 、 Kár 、 kâr 、 kär 、 Kär 、 kår 、 kar. 、および kār- も参照。


  1. …を作る。…をする。…を(...ne/…に)する。

アイヌ語

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カナ表記 カㇻ/カㇽ

発音

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  • IPA(?): /kaɾ/, [kaɾ(a̽)]

異表記・別形

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  • kari(ドゥボフスキーの北千島アイヌ語資料)
  • гар(ヴォズネセンスキーの北千島アイヌ語資料)
  • kara(バチェラーの蝦和英三対辞書)

語源

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本来語[1]。初出は『蝦夷拾遺』(1786)[2]

動詞

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kar (他動詞, 2項動詞)

  1. ~をつくる。~をたてる。
    • アコユビ・/イワンタラ・/ブイカレ・/サケカルカド・/アヲモンモモ・[3]
      a=kor yupi / iwan tara / puykare / sake kar katu / a=omommomo
      兄さんが/6 つの俵を/倉から出して/酒を作る様子は/かくかくしかじか。
    • アコロユビ・/ウセイカルワ・/アバロオッテ・/キロクアイネ・/タネアナクネ・/シキヌ・ドサ・/アウレンカレ・ルエネ・[4]
      a=kor yupi / usey kar wa / a=paro otte / ki rok ayne / tane anakne / siknu tusa / a=urenkare ruwe ne.
      兄さんが/お湯を沸かして/私に飲ませて/くれたあげく/今や/生き返り,治るよう/計らってもらった。
    • アポウタリ カㇻ ペ カ エ コㇿ アン アイネ[5]
      a=poutari kar pe ka e kor an ayne
      私の子供たちが作ったものを(祖母は)食べていて、
    • オッカヨ カㇻ ペ アナㇰ アエ カ エラミㇱカリ ノ オカアン[6]
      okkayo kar pe anak a=e ka eramiskari no oka=an
      男が作ったものは、私たちは食べたことがなくていた。
    • コント プ カㇻ ワ カㇺ オ プ シンナ[7]
      konto pu kar wa kam o pu sinna
      なので次に夫は倉を建てました。肉用の倉
  2. ~をる。~をる。
  3. ~をする。~をおこなう。~をおこ
  4. [~ ~ ne]~を~にする。

活用

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目的格
人称 一人称 二人称 三人称 不定称
単数 複数 単数 複数 単数 複数 単数 複数
主格 一人称 単数 eci=kar eci=kar k(u)=kar k(u)=kar ku=i=kar ku=i=kar
複数 eci=kar eci=kar c(i)=kar c(i)=kar a=i=kar a=i=kar
二人称 単数 en=kar un=kar e=kar e=kar e=i=kar e=i=kar
複数 eci=en=kar eci=un=kar eci=kar eci=kar eci=i=kar eci=i=kar
三人称 単数 en=kar un=kar e=kar eci=kar kar kar i=kar i=kar
複数 en=kar un=kar e=kar eci=kar kar kar i=kar i=kar
不定称 単数 a=en=kar a=un=kar a=e=kar a=eci=kar a=kar a=kar a=i=kar a=i=kar
複数 a=en=kar a=un=kar a=e=kar a=eci=kar a=kar a=kar a=i=kar a=i=kar

類義語

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  • ki ()する

出典

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  1. Alexander Vovin (1993), A Reconstruction of Proto-Ainu, Brill 
  2. 平山裕人 (2013), “カル”, アイヌ語古語辞典, 明石書店 
  3. 鍋沢元蔵 (1954), Nabesawa-3 yukar (2), in 中村裕; 遠藤志保, “鍋沢元蔵筆録ノート : 翻刻と訳注”, 国立民族学博物館所蔵 鍋沢元蔵ノートの研究, 2016-06-01, doi:10.15021/00006040 
  4. 鍋沢元蔵 (1928), Nabesawa-1 yukar (1), in 中村裕; 遠藤志保, “鍋沢元蔵筆録ノート : 翻刻と訳注”, 国立民族学博物館所蔵 鍋沢元蔵ノートの研究, 2016-06-01, doi:10.15021/00006040 
  5. 黒川てしめ (1969), “23-8 ウエペケㇾ「ケトゥペトノ イカオピューキ」(ハリガネムシに助けられた)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  6. 平賀さだも (1969), “7-2 ウエペケㇾ「ケソラㇷ゚ カムイ イレス」(孔雀の神に育てられた)”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  7. 黒川てしめ (1969), “22-4 ウエペケㇾ「アスチヒ イレス」(祖母が私を育てた)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  8. 平賀さだも (1969), “7-2 ウエペケㇾ「ケソラㇷ゚ カムイ イレス」(孔雀の神に育てられた)”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  9. 黒川てしめ (1969), “23-8 ウエペケㇾ「ケトゥペトノ イカオピューキ」(ハリガネムシに助けられた)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  10. 平目よし (1969), “18-2 ウエペケㇾ「トパットゥミ オッタ アサハ トゥラ アエイッカ」(トパットゥミで姉とともに連れ去られた話)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  11. 木村きみ (1969), “21-6 ウエペケㇾ「ポンニマ」途中テープ切れ 22号へ続く(小皿)”, 第2年次調査研究報告書3/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  12. 貝澤とぅるしの (1969), “6-5 ウエペケㇾ「ケトゥペ カムイ イレス」(ケトゥペカムイに育てられた)”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 
  13. 平賀さだも (1969), “9-3 ユカㇻ「サㇰソモアイェㇷ゚」(2)(サㇰソモアイェㇷ゚ 退治(2))”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月 

トルコ語

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名詞

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ハンガリー語

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発音

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  • IPA(?): /ˈkɒr/
  • (ファイル)

語源1

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テュルク諸語より

名詞

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kar (複数・主格 karok)

  1. (解剖学) うで上肢
  2. レバーハンドル
    器具を動かしたり制御したりするためにつまむ飛び出た部品
  3. クランク
    ピストンの往復運動を回転力に変えるための屈曲軸
  4. 状態体調
    接尾辞 -ban/-ben のみを伴い、たいてい前に rossz を置く
格変化
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語形変化 (語幹: -o-, 母音調和: 後舌)
単数 複数
主格 kar karok
対格 kart karokat
与格 karnak karoknak
具格 karral karokkal
因格 karért karokért
変格 karrá karokká
到格 karig karokig
様格(ként) karként karokként
様格(ul)
内格 karban karokban
上格 karon karokon
接格 karnál karoknál
入格 karba karokba
着格 karra karokra
向格 karhoz karokhoz
出格 karból karokból
離格 karról karokról
奪格 kartól karoktól
非限定的
所有形単数
karé karoké
非限定的
所有形複数
karéi karokéi
派生語
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複合語
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成句
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語源2

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ラテン語 chorus より

kar (複数・主格 karok)

  1. (教育, 大学など) 学部職員教員
    通常、そのメンバーを表す形容詞が前に付く: 例 tanári kar教職員
  2. (教育, 大学など) 学部
  3. 一緒に演奏する集団(合唱団、コーラス、アンサンブルなど)。
格変化
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語形変化 (語幹: -o-, 母音調和: 後舌)
単数 複数
主格 kar karok
対格 kart karokat
与格 karnak karoknak
具格 karral karokkal
因格 karért karokért
変格 karrá karokká
到格 karig karokig
様格(ként) karként karokként
様格(ul)
内格 karban karokban
上格 karon karokon
接格 karnál karoknál
入格 karba karokba
着格 karra karokra
向格 karhoz karokhoz
出格 karból karokból
離格 karról karokról
奪格 kartól karoktól
非限定的
所有形単数
karé karoké
非限定的
所有形複数
karéi karokéi
下位語
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(語義3):

関連語
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(語義2):

派生語
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複合語
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用法
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語源1および語源2は、単数所有形の3人称単数形と複数所有形のすべての形を除き、ほぼ完全に同音異義語である。語義1では語幹と所有接尾辞の間に -j- が追加される。

参考文献

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  • (腕、レバー): kar in Bárczi, Géza and László Országh. A magyar nyelv értelmező szótára (’The Explanatory Dictionary of the Hungarian Language’). ブダペスト: Akadémiai Kiadó, 1959–1962. 第5版, 1992: →ISBN
  • (学部、合唱団): kar in Bárczi, Géza and László Országh. A magyar nyelv értelmező szótára (’The Explanatory Dictionary of the Hungarian Language’). ブダペスト: Akadémiai Kiadó, 1959–1962. 第5版, 1992: →ISBN