げろ

日本語

名詞

げろ（ゲロとも）

1. (口語) 胃のなかから口の外に出た飲食物や胃液。
   • 窓側に走りつくよりも早く、ゲロが溢れでてゐた。 （高見順『故旧忘れ得べき』第五節）〔1935年-1936年〕
   • (...)桜の花の下へ人がより集って酔っ払ってゲロを吐いて喧嘩（けんか）して、これは江戸時代からの話で、大昔は桜の花の下は怖しいと思っても、絶景だなどとは誰も思いませんでした。 （坂口安吾『桜の森の満開の下』）〔1947年〕
   • 藤原経邦の如きに至っては、はじめ快飲を示していたけれど、とうとう心身共に蓬（ほう）けてしまい、げろを吐いて窮声喧々という有様だ。 （佐藤垢石『酒渇記』）〔1953年〕
   • 車でゲロを吐いた、これは粗野に当たりますか。 （宇野宗佑、 第038回国会　地方行政委員会　第31号）〔1961年〕
2. (俗語) それまで隠していたが話された事実。特に、罪にかかわる事実。
   • うその証言をすれば追及が激しくて因果関係なくてもあとでやられることはわかっておる。そこで、ついにげろをはいたとする。 （加藤清二、 第071回国会　法務委員会、大蔵委員会、商工委員会連合審査会　第1号）〔1973年〕

発音

• (東京式) げ​ろ [géꜜrò] (頭高型 – [1])
• IPA^(?): [ɡe̞ɾo̞]
• (京阪式) げ​ろ

関連語

• げろのみ
• げろげろ
• 嘔吐
• へど

動詞

げろ する（ゲロ する）

1. (俗語) 嘔吐する。
2. (俗語) 隠していたことを話す。
   • Ａという犯人、Ｂという共犯、その共犯に、Ａのことを話したら、全部ゲロしたらおまえの罪を軽くしてやるから全部ゲロしろという免責条項がきわめて活動しておる。 （横山利秋、 第096回国会　法務委員会　第22号）〔1982年〕

活用

活用と結合例

げろ-する 動詞活用表（日本語の活用）

サ行変格活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
げろ	し せ さ	し	する	する	すれ	しろ せよ

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	げろしない	未然形 + ない
否定(古風)	げろせず	未然形 + ず
自発・受身 可能・尊敬	げろされる	未然形 + れる
丁寧	げろします	連用形 + ます
過去・完了・状態	げろした	連用形 + た
言い切り	げろする	終止形のみ
名詞化	げろすること	連体形 + こと
仮定条件	げろすれば	仮定形 + ば
命令	げろしろ げろせよ	命令形のみ

類義語

• げろる
• はく
• 白状する
• 自白する

副詞

げろ（ゲロとも）

1. かえるの鳴き声。

複合語

• げろげろ

同音異義語

げろ

• 【下呂】岐阜県の地名。