日本語

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語源

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古典日本語うつせみ」 < 「うつそみ」の転訛 < 「うつし」(現し) + 「おみ」(臣)。「空蝉」「虚蝉」は当て字で、ここから語義4以降が生まれた。

発音

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名詞

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うつせみ / /

  1. 現に存在する人間生きている人間。
  2. この世現世
  3. 世間人々世人
  4. 抜け殻季語
  5. 蝉。
  6. 抜けたような、放心した身。
  7. 源氏物語』の巻名(第3帖)。また、同帖の中心的登場人物である女性通称

派生語

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翻訳

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(語義2)

このよ — 「このよ#翻訳」を参照のこと

(語義3)

(語義4)

(語義5)

せみ — 「せみ#翻訳」を参照のこと

古典日本語

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語源

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うつそみ」の転訛 < 「うつし」(現し) + 「おみ」(臣)

名詞

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うつせみ、現

  1. この世人間
    • 高山波 雲根火雄男志等 耳梨與 相諍競伎 神代従 如此尓有良之 古昔母 然尓有許曽 虚蝉毛 嬬乎 相挌良思吉(『万葉集』巻一・13)
      香具山は 畝傍ををしと 耳成と 相争ひき 神代より 斯くにあるらし にあれこそ 虚蝉を争ふらしき
      香久山畝傍山愛しく思って[1]耳成山争った。神代からこんな風だったらしい。もこんなだからこそ、今を生きる人も妻を巡って争うのであろう。
  2. この世、現世
    • 玉有者 手二母将巻乎 欝瞻乃 世人有者 手二巻難石(『万葉集』巻四・729)
      ならば にも巻かむを 現人世の人なれば 手に巻き難し
      もしもあなたが腕飾りならばこの手にずっと巻き付けておきたいが、あなたは生身人間なので手に巻くことができない。
  3. 世間
  4. せみがら。また、蝉。

諸言語への影響

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  • 日本語: うつせみ

脚注

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  1. 「畝傍ををしと」については、「畝傍雄々しと」とする説と、「畝傍を愛しと」とする説がある。前者の解釈では畝傍山は男となり、後者の解釈では女となる。ウィキペディアの「大和三山」の項も参照せよ。
    ここでは、後者の解釈に拠った。