ござる

日本語

動詞「ござある」の連体形「ござある」の転。

ござる【厶る、御座る】

動詞「ある」を意味する丁寧語。ございます。
- ちと尋ねたいことがござる。（岡本綺堂『小坂部姫』）
- 何も申すことはござらぬ。（林不忘『元禄十三年』）
動詞「いる」を意味する尊敬語。いらっしゃる。
- そこにござるのは、どなたぞな。（折口信夫『死者の書』）
動詞「行く」「来る」を意味する尊敬語。いらっしゃる。
- 若い巡査は或る朝サアベルをガチャガチャいわせてそのお邸（やしき）の門を潜った。「ソラ御座った。イヨイヨお嬢さんが調べられさっしゃる」と家中（うちじゅう）のものが鳴りを静めた。（夢野久作『いなか、の、じけん』）
補助動詞「いる」を意味する尊敬語。～ていらっしゃる。～ておいでになる。
- この文書に、殿は惑わされてござるにちがいない（吉川英治『鬼』）
補助動詞「ある」を意味する丁寧語。～でございます。
- 高貴のお方で厶るぞ。控えさっしゃい！（佐々木味津三『老中の眼鏡』）
- びしよ／＼降ると寒うござるで、老寄には何より恐しうござるわいの。（泉鏡花『二世の契』）
- おはようございます。ありがとうございます。おめでとうございます。

活用と結合例

ござ-る動詞活用表（日本語の活用）
ラ行五段活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
ござ	らろ	りいっ	る	る	れ	れ

現代語では助動詞ますがついてイ音便化した「ございます」の形でのみ用いる。