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日本語 編集

「は、ハ」で始まる日本語

発音 編集

  • ha
  • wa - 助詞の場合、歴史的仮名遣いの一部(語中・語尾の場合)

名詞:歯 編集

  1. 動物の口腔内にある咀嚼するための硬い器官
  2. 歯と同様のギザギザを持つ部分。例:の歯、歯車
  3. 下駄の裏側にある板。

発音:歯 編集

は↘
IPA: /ha/
X-SAMPA/ha/

語源:歯 編集

熟語:歯 編集

翻訳: 歯 編集

参照 編集

名詞:葉 編集

  1. 植物構成する主要な器官の一つ。葉緑体を保持し光合成を行う主要な場であり、一般には緑色薄い構造のもの 。はっぱ

翻訳:葉 編集

名詞:刃 編集

  1. 刀剣切断に用いる道具の、対象に当てて切断ないし切削に用いる部分。やいば

複合語・成句 編集

翻訳 編集

名詞:羽 編集

  1. はね

複合語・成句 編集

名詞:端 編集

  1. はし

複合語・成句 編集

助詞 編集

  1. 副助詞、一部に係助詞とする立場もある)主題を示す。文が何について(のみ)語っているか、あるいは何かとの対比を示す。
    • 昔あるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさん山へ柴刈りにいきました。 — 既出の人物であることを示している。
    • 鼻が長い。 — 象について説明している。
    • 今日学校へ行った。 - 「今日、学校へ行った」よりも行く日と行かない日があることを明示している。
    • テレビよく見る。 - 対象をテレビに限定する。映画を見ないのかもしれない。
    • 妻に話すべきだ。- 最低限話す相手を示している。
    • 家で騒がしいがそとでおとなしい。 — 家でのふるまいとそとでのふるまいの対比を示している。
    • これから真面目にやります。- 以前はそうでなかったことを示している。
    • 五時まで仕事をする。- 五時以降は別のことをする予定であることを示している。
    • 全部できた人途中退席してかまいません。- できていない人との対比を示すとともに、条件的なニュアンスを含んでいる。
    • 理解できる話である。- 理解はしているがそれ以上ではないことを示している。例えば同意できないなど。
    • すぐに理解できない。-「すぐに理解できない」よりもそのうち理解できることを示している。
    • こうなると思わなかった。- 現状とは別の予想・思惑があったことを示している。
  2. 前の文を受けて、新しい主題について同じことを尋ねる。
    • 「太郎は来たよ。」「次郎?」 — 次郎も来たかを尋ねている。
    • 「品質は問題ない。」「価格?」 — 価格も問題ないかを尋ねている。
  3. 提示された話題を受け、そのことへの感想や評価を示す。詠嘆のニュアンスを含み、「は」を含む文節を強調して発音されることが多い。
    • 「世界新記録達成だって」「それすごい」
    • 「交通機関が麻痺して自宅まで三時間歩いたよ」「三時間大変だったね」
    • 「合格しました」「それおめでとう」
    • 「お茶どうぞ」「これどうも」
  4. 否定の語気を強める。
    • そんな話知らない。
    • その日公園に行っていません。
  5. の連用形に付いて、否定されるものを示す。主題と同じであるが、名詞文の場合、現在ではほぼ義務化しており、無いほうが不自然である。口語ではじゃになる。
    • 学生でありません。 — 名詞の場合、はほぼ必ず付く。
    • その歌手は有名でない。 — 形容動詞の場合、が無いこともある。
  6. 部分否定を表す。
    • 全員の名前覚えていない。
    • 出された料理全部食べなかった。
  7. 少なくとも満たす基準を示す。主題の場合と異なり、を取り除くと論理的意味が異なる。
    • 70点取った。 — 少なくとも70点を取った。もっと取った可能性がある。
    • 8時に帰れる。 — 遅くとも8時に帰れる。もっと早く帰れる可能性がある。
    • 少し本でも読もうか。
    • ときどき電話しろ。たまに帰って来い。
  8. 否定文で、その数値や程度まで到達しないことを示す。も、もは、までは。
    • 千円しない。
    • そこまで行くのに1時間かからない。
    • それほど大きくない。
  9. 総称的な主題を提示し、その中で特定のすぐれたものや好ましいもの、重要なものなどを述部で示す。
    • スポーツサッカーが好きです。
    • 戦後日本の産業なんと言っても自動車だ。
    • サンマ目黒に限る。
    • あけぼの。
    • 桜木、人武士。
    • 結婚生活忍の一字。
    • 研究根性と体力だ。
  10. 大きい地名とそこに含まれる小さい地名の間や、長い時代とそこに含まれる短い時代の間に用いる。現在では、を用いるか、何も挟まないことが多い。
    • 東京神田の生まれ。
    • 江戸元禄のころより続く老舗。
  11. 接続助詞のについて、好ましくない内容の仮定条件を表す。
    • そんなことをされてたまらない。
    • そこへ行っていけない。
    • あってならないことだ。
    • いまさらこんなことを言って恐縮だが、他に方法があったのではないか。
  12. 接続助詞のて、でについて、繰り返しを表す。
    • 寄せて返す波の音。
    • 少し読んで考え、また読んで考えた。
  13. 「によって」「次第で」について、状況や方法が特定のものに限定されることを強調する。仮定や可能性のニュアンスをともなう。
    • やりかたによってうまくいくかもしれない。
    • 病状次第で入院することになるだろう。
  14. 名詞や格助詞の「で」、接続助詞の「て/で」につき、あとにしばしば「どうか」などの語をともなって、提案を表す。
    • 「何を飲もうか」「ワイン(どう)?」
    • 本人に聞いてみて(どうか)。
  15. 人や物について、見当たらないため探しているといった意味を表す。
    • 「あれ、ここにおいてあったノート(どこ)?」
    • 「おい、山田? 帰っちゃったのか」。
  16. (AはA)多少の違いはあるだろうが、結局は同じだ。一応はそうである。無条件にそうである。用言の場合はものことなどが付く。
    • 大義があろうとなかろうと、戦争戦争だ。
    • 安くても、美味しいもの美味しい。
    • また壊れるかもしれないが、直すだけ直しといた。
  17. (AはA)譲歩して、その点は認める。用言の場合はものことなどが付く。
    • 戦争戦争だが、大義がある。
    • 美味しいこと美味しいが、あまりに高い。
    • 読むに読んだが、よく理解できなかった。
  18. (AはA)無条件にそうである。ゆるがせにできないことである。
    • だめなものだめだ。問答無用。
    • ならぬことならぬものです。掟掟です。
  19. (AはA、BはB)AとBとで異なる、別の立場で。
    • それそれ、これこれだ。
    • 親、子子で、それぞれ気ままに暮らしている。
  20. (AはAで)その立場で。としても。
    • 先生先生でいろいろと大変なんですね。
    • 私でしたいようにやるし、君君でやっていけばいいだろう。
  21. (AはAとして)それはともかく。それは別に考慮して。
    • それそれとして、さっきの話に戻ろう。
  22. (「AはAだから、なので、だし」などの形で)Aについての特定の事情が理由で。こういうAだから。
    • 子供はぐずるし、天気天気だし、早めに帰るとするか。(=天気が悪いのもあるし)
  23. 列挙を表す。
    • ここに来れば飯食える酒飲める、もう最高。(=飯も食える酒も飲める)

用法:助詞 編集

他の助詞と結びつく場合、必ずが後置する。ただしにつくことはできず、この場合、単独ので代用する。格助詞のと結びつくことはできない。

発音:助詞 編集

語源:助詞 編集

上代では主に「はや」「はも」の形で文末にくる助詞の一種であった(現在の終助詞の源流)。倒置法により文中に入るようになり、現在の形に定着した。逆に文中の「は」が文末にきて終助詞になったという説もある。

派生語:助詞 編集

関連語:助詞 編集

翻訳:助詞 編集

感動詞 編集

  1. 受け答えるときに出る言葉
    • 、何でしょう
  2. 笑い声を表す
    • ははは、面白い

関連語句:感動詞 編集

副詞 編集

  1. (方言) もう

古典日本語 編集

助詞 編集

係助詞 編集

  1. (体言、用言の連体形と連用形、助詞などに付いて)主題、題目を示す。~は。
    • 10世紀末〜11世紀初め、清少納言「枕草紙」[1]
      曙、やうやう白くなりゆく[…]
      春は明け方頃(がよいものだ)。だんだんと白くなっていく[…]
  2. (体言、用言の連体形と連用形、助詞などに付いて)2つ以上の事柄を対比させて示す。~は。~の方は。
  3. (形容詞型活用語の連用形、打消しの助動詞「」の連用形に付いて)順接の仮定条件を示す。~ならば。~たら。

終助詞 編集

  1. (体言、活用語の連体形などに付いて)感動、詠嘆の意を表す。~ぞ。~よ。
    • 10世紀末〜11世紀初め、清少納言「枕草紙」[2]
      「さてその文は殿上人皆見てし」とのたまへば
      「さて、その手紙は、殿上人の皆が見てしまったことぞ」とおっしゃるので

コード等 編集

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  1. 「國文大觀第九編日記草子部」板倉屋書房、1903年 https://ja.wikisource.org/wiki/Page:Kokubun_taikan_09_part1.djvu/174
  2. 「國文大觀第九編日記草子部」板倉屋書房、1903年 https://ja.wikisource.org/wiki/Page:Kokubun_taikan_09_part1.djvu/282