自
漢字
編集字源
編集- 象形。人の鼻を象る。「はな」を意味する漢語{鼻/*bi(k)-s/}を表す字。のち仮借して「みずから」を意味する漢語{自 /*dzik-s/}に用いる。
- 自分を指すのに鼻を指したことから「みずから」の意味に使われるという説があるが、これは根拠のない憶測に基づく民間俗説である。実際には音韻的類似による仮借にすぎない。ただ{鼻/*bi(k)-s/}と{自/*dzik-s/}は音韻的に離れているので、単純な仮借とは言いがたく、以下のような説がある。
- 「自」は、元々DZI音域で「はな」を意味する漢語{鼻}を表していたが、後に仮借して「みずから」を意味する漢語{自/*dzik-s/}を表すようになった。
一方で、「はな」を意味する漢語はDZI音域からP系統の音/*bi(k)-s/に変化した。
つまり、「自」には{鼻/*bi(k)-s/}と{自/*dzik-s/}の2つの語があったが(一形多用)、その後{鼻}は音符「畀 /*PI(K)/」を付加して「鼻」字に分化したと考えられる(鼻#字源参照)。[字源 1] - 「自」の上古音を*s.b-のような複合子音を用いて/*s.[b]i[t]-s/と再構し、*s.[b] i[t]-s > *zbit-s > *bzit-s > *dzit-sと音が変化したことで、{鼻/*m-bi[t]-s/}と{自/*s.[b]i[t]-s/}を諧声可能とした。[字源 2]
- 自分を指すのに鼻を指したことから「みずから」の意味に使われるという説があるが、これは根拠のない憶測に基づく民間俗説である。実際には音韻的類似による仮借にすぎない。ただ{鼻/*bi(k)-s/}と{自/*dzik-s/}は音韻的に離れているので、単純な仮借とは言いがたく、以下のような説がある。
<参考文献>
編集- ↑ 裘錫圭『中国漢字学講義 (東方学術翻訳叢書)』P.12とP.227(裘錫圭はこのような借用を形借と呼んでいる)
- ↑ William H. Baxter, Laurent Sagart『Old Chinese: A New Reconstruction』P.142
意義
編集日本語
編集中国語
編集朝鮮語
編集- ハングル: 자
- 音訓読み: 스스로 자
- 文化観光部2000年式: ja
- マッキューン=ライシャワー式: cha
- イェール式: ca
熟語
編集- 외발자전거 (oebaljajeon-geo) < - 自轉車>
- 원동기장치자전거 (wondonggijangchijajeon-geo) <原動機裝置自轉車>
- 자동차 (jadongcha) <自動車>
- 자명금 (jamyeonggeum) <自鳴琴>
- 자연대수 (jayeondaesu) <自然對數>
- 자연로그 (jayeollogeu) <自然 - >
- 자연로그수 (jayeollogeusu) <自然 - 數>
- 자유 (jayu) <自由>
- 자유로이 (jayuroi) <自由 - >
- 자유롭다 (jayuropda) <自由 - >
- 자유주의 (jayujuui) <自由主義>
- 자전거 (jajeon-geo) <自轉車>
- 자존심 (jajonsim) <自尊心>
- 자판기 (japan-gi) <自販機>
- 자호감 (jahogam) <自豪感>
- 전기자전거 (jeon-gijajeon-geo) <電氣自轉車>
- 전동 어시스트 자전거 (jeondong eosiseuteu jajeon-geo) <電動 - 自轉車>
- 전동자전거 (jeondongjajeon-geo) <電動自轉車>
ベトナム語
編集文字情報
編集
|
- | |
---|---|
日 |
|
中 |
|
台 | |
韓 |
|
漢点字 | 六点漢字 |
---|---|
⣷⠊ | ⠰⠦⠡ |
康熙字典 | 1000ページ, 7文字目 |
---|---|
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版) | 30095 |
新潮日本語漢字辞典 (2008) | 9753 |
角川大字源 (1992) | 8037 |
講談社新大字典 (1993) | 13381 |
大漢語林 (1992) | 9159 |
三星漢韓大辞典 (1988) | 1452ページ, 1文字目 |
漢語大字典 (1986-1989) | 5巻, 3046ページ, 1文字目 |