風
漢字
編集字源
編集- 形声。「虫」 + 声符「凡/*[b]rom/」。 「かぜ」を意味する漢語{風/*prəm/}を表す字。もと「鳳」字が{風}を表していたが(仮借)、数百年の空白を経て戦国時代に「虫」に従う「風」字が現れた。「虫」に従う理由は、有力な説として以下の2つがある。
- 西周金文の「鳳」字の、尾羽末端の飾り羽根が変化して「虫」になったという説(字形の演変を参考)。[字源 1]
音韻学的には、「風/*prəm/」の原字は「凡/*[b]rom/」を声符にしていたが、「風」の発音が*prəm > *prum > *pruŋと変化したため、「鳳」の飾り羽根の部分が(不完全な)声符化を起こして「虫(蟲の省体)/*C.lruŋ/」になったと説明される。[字源 2]
※文字の一部が変化して声符化する現象「音化」は珍しくない。 - 「風」は、{堸/虫の巣}または{𧍯/虫の巣穴}の表意文字で、{風/かぜ}の意は仮借という説。[字源 3]
参考文献
編集- ↑ 曾憲通《談談怎樣考釋古文字》『古文字論壇』第一輯.中山大学古文字研究所. 2016-11-04.
- ↑ Laurent Sagart《What is an insect doing in the Chinese character for “wind”?》2021-1-28
- ↑ 白於藍《釋”風”——兼説”空穴來風”》『Journal of Chinese Writing Systems』Vol 2, Issue 2, pp. 79 - 89⇒概要
意義
編集日本語
編集教育漢字 (第2学年)
編集名詞
編集- (かぜ)空気の流れ。
- (かぜ)ある勢力の勢い
- (フウ)風習。気風。慣習。雰囲気。
- 江戸の風を伝える屋敷。
- (フウ)風体。恰好。
- 僧侶の風をなす。
- (フウ)様子。ふり。
- 家でもだらけた風をしない。
- 知らないふうを装う。
- (フウ)性向。性格。傾向。きらい。
- 狷介の風がある。
- (フウ)体裁。聞こえ。
- 風が悪い。
- (フウ)様態。感じ。
- そんなふうに言う。そんなふうに思えた。
- かつおぶしはどういうふうに選択し、どういうふうにして削るか。(北大路魯山人『だしの取り方』)
- 映画における音楽の位置をうんぬんするとき、だれしも口をそろえて重大だという。/なぜ重大なのか。どういうふうに重大なのか。だれもそれについて私に説明してくれた人はない。(伊丹万作『映画と音楽』)
- 誰かに紹介をして貰ふつもりだつたが、それよりも直接にお庭拝見といふふうに名刺を通じた。(室生犀星『名園の落水』)
翻訳
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かぜ — 「かぜ#翻訳」を参照のこと
接尾辞
編集熟語
編集中国語
編集朝鮮語
編集ベトナム語
編集文字情報
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日 |
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中 |
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台 | |
韓 |
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漢点字 | 六点漢字 |
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⣳⠬ | ⠲⠍⠡ |
康熙字典 | 1411ページ, 1文字目 |
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諸橋大漢和辞典 (修訂第2版) | 43756 |
新潮日本語漢字辞典 (2008) | 14215 |
角川大字源 (1992) | 11302 |
講談社新大字典 (1993) | 19085 |
大漢語林 (1992) | 12897 |
三星漢韓大辞典 (1988) | 1930ページ, 20文字目 |
漢語大字典 (1986-1989) | 7巻, 4480ページ, 1文字目 |