ねる【寝る、寐る】
- 睡眠をとる。ねむる。
- 「私は今夜寝る所もないので、どうしたものかと考えているのです」と、恐る恐る返事をしました。(芥川龍之介 『杜子春』)
- 横たわる。
- 横臥したいと思ったが寝る所がないから机の上に突伏して右に左に頭をもたせてみたが胸苦しさは増すばかりで全身は汗ばんで来た。(寺田寅彦 『病中記』)
- (とねる、の形で婉曲に)性交する。
- 活用されないままである。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | ねない | 未然形 + ない |
意志・勧誘 | ねよう | 未然形 + よう |
丁寧 | ねます | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | ねた | 連用形 + た |
言い切り | ねる | 終止形のみ |
名詞化 | ねること | 連体形 + こと |
仮定条件 | ねれば | 仮定形 + ば |
命令 | ねろ ねよ | 命令形のみ |
ねる【練る 錬る、煉る、邌る】
- 火にかけるなどして、時間をかけて、むらのないようにこね固める。
- 小児が外に遊ぶ時は土を煉りて、様様の物を作る(新保磐次『日本読本』1887)
- 金属を焼いて硬質なものにきたえる。
- 人格、学問、技能を鍛える。修行する。修養する。
- 先ず心境を練ることをしないで、ただ先へとばかり進みたがるのは、多くの未成大家の弊である。(豊島与志雄『旅人の言』「野に声なし」1924)
- よりよくするために内容を検討したり、手を加えたりする。
- 美妙巧緻の文章をもて其の模範となし師表となしもて其文を練るべきなり(坪内逍遙『小説神髄』上「小説の裨益」1886)
- 海水を煮て塩を精製する。
- 行列を作ってゆっくり進む。
- 太夫とおなじ顔して、練ってゆくもおかし(浮世草子・傾城色三味線、1701)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | ねらない | 未然形 + ない |
意志・勧誘 | ねろう | 未然形音便 + う |
丁寧 | ねります | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | ねった | 連用形音便 + た |
言い切り | ねる | 終止形のみ |
名詞化 | ねること | 連体形 + こと |
仮定条件 | ねれば | 仮定形 + ば |
命令 | ねれ | 命令形のみ |