席巻
日本語
編集異表記・別形
編集発音
編集名詞
編集動詞
編集- 蓆を巻くように、土地を片端から攻め取る。転じて、勢力範囲を急速に拡大させる。
活用
編集活用と結合例
出典
編集- 【白文】
- 張儀爲秦破從連橫,說楚王曰、「秦地半天下、兵敵四國、被山帶河、四塞以爲固。虎賁之士百餘萬、車千乘、騎萬疋、粟如丘山。法令既明、士卒安難樂死。主嚴以明、將知以武。雖無出兵甲、席卷常山之險、折天下之脊、天下後服者先亡。(略)」
【訓読文】
【現代語訳】
- 張儀が、秦のために合従を破って連衡しようとして、楚の懐王に説いて言った、「秦の領地は天下の半分に及び、その兵力は四方の諸国に匹敵します。山に囲まれ河に取り巻かれ、四方が塞がれて天然の要害となっております。虎のように勇猛な兵士は百万人余り、戦車は千両、軍馬は一万頭に及び、兵糧は山のようにございます。軍律は行き届いており、兵士は安心して困難に立ち向かい喜んで戦死します。主君(恵文王)は厳格かつ英明で、将軍は才智と武勇を備えています。軍備を繰り出すまでもありません。とはいえ、険阻な常山[3]を速やかに攻略し、天下の脊梁を粉砕すれば、天下の諸侯で遅れて秦に降伏する者は、真っ先に滅亡することになるでしょう。(略)」。
- 【補説】
- 強大な勢力を有する秦に対抗すべく、他の諸国は同盟して秦を牽制する体制(合従)を築いた。これを打破するため、縦横家(弁論家)の張儀は紀元前311年、秦と他の各国との間に二国間同盟を結ばせ(連衡)、各国の協力体制を分断しようとした。上記の逸話は、その一環として張儀が楚に赴き、秦との同盟締結を勧めた言葉の冒頭部分。