とく
同音の漢字については、 トク を参照。
日本語 編集
語源 編集
動詞 編集
- 【原義: 解く】固くまとまったものを、緩める。縛られた状態を終わらせる。解除する。解放する。
- 【解く】 問題や課題に対する正しい答えを見つける。
- 【溶く・融く】 まぜて均一な液体にする。
- 【解く・説く】 難しい内容を簡単に説明する。
- 【説く・釈く】 思想や宗教、理想について話す。
- 【梳く・解く】 (髪を)とかす。
活用 編集
活用と結合例
発音(?) 編集
東京式アクセント 編集
- と↘く
京阪式アクセント 編集
- と↗く
連語 編集
語義1:
語義2:
語義3:
語義3-2:
- 鉄を溶く
語義5:
- 教えを説く
関連語 編集
類義語 編集
語義1: <縛られた状態を終わらせる>
語義5: <思想などについて話す>
語義6: <(髪を)とかす>
派生語 編集
語義1:
動詞
名詞
枕詞
語義2:
動詞
名詞
形容詞
語義4:
動詞
名詞
形容詞
語義5:
動詞
名詞
翻訳 編集
縛られた状態を終わらせる
問題などに対する答えを見つける
混ぜて均一な液体にする
難しい内容を易しく説明する
思想などについて話す
(髪を)とかす
助動詞 編集
とく
- 〔口語〕 (「て おく」が縮まったもの) 前もって何々する、予備的にその動作をすませるの意味。
- 私は時に猿股の紐がぬけた時、あれを買っとけばよかったと思うことがある。(石井柏亭『大切な雰囲気 序』、1936年)
- あゝ恋が形とならない前/その時失恋をしとけばよかつたのです(中原中也『恋の後悔』、1924年)
- 現状に変更を加えず、そのままを維持する。放置したままにする。行為やその結果を持続する。
- 窓は開けとけ。(=すでに開放されている窓を閉めるな。)
- そこに立ってじっとしといて。
- (命令形「とけ」の形で)おだやかな命令をあらわす。
- 騒ぐな。朝礼では校長先生のお話をよく聞いとけ。
- (方言。「んとく」の形で)依頼や軽い命令、意向表現などの否定をあらわす。
- そんなこと言わんといて。(=言わないで)
- 今日は行かんとこ。(=行くのをやめよう)
古典日本語 編集
動詞:解 編集
とく【解く】
カ行四段活用 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
と | か | き | く | く | け | け |
とく【解く】
カ行下二段活用 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
と | け | け | く | くる | くれ | けよ |
発音(連用形) 編集
- 四段活用: 二拍動詞二類
- と↗く
- 下二段活用: 三拍動詞二類
平安時代 編集
- とけ↗る
南北朝時代 編集
- と↘け↗る
室町時代以降 編集
- と↘ける
諸言語への影響 編集
動詞:説 編集
とく【説く】
活用 編集
カ行四段活用 | ||||||
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語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
と | か | き | く | く | け | け |
副詞 編集
とく【疾く】
語源 編集
形容詞「とし」(疾し)の連用形。
派生語 編集
- 現代日本語: とっくに
脚注 編集
- ↑ 『講談社 カラー版 日本語大辞典』1989年、1391頁、第一段。ISBN 4-06-121057-2